尻2

清明

第1話

ケツが痛い。

今から大きい話をするので、お食事中の方や苦手な方は回れ右して綺麗な映像でも見ていただきたい。

察しの良い人はタイトルの時点で回避するだろうから、この文章を読む事は無いだろう。

ということで話を続けさせてもらう。

ケツが痛い。


自慢ではないけれど、私は便秘に悩んだ事がない。毎朝快便である。

ところが今朝は違った。

いや、前兆はあった。

一昨日ぐらいから、少し硬いかな…?と思っていた。

まあ私の命の残りカスだもの、たまには硬くなりたい気分もあるだろうと思って気にしないでいた。

そうしたら今朝、カスが牙を剥いた。


いつものように朝ご飯を食べ、しばらく幸福感を味わっていたところにいつものようにシグナルが来た。

ただいつもより若干遠いところから呼ばれている気がした。

それでもいけるだろうと思い、私は致す準備に入った。


出ない。


おかしい、シグナルは出ているのに、こんにちはのこの字も出ない。

普段の私ならスルッとこんにちはが出てくるのに、今朝の私はまるでガチガチに緊張した時のように言葉が出てこない。

いや、出すのは言葉ではなくて搾りかすだけれども。


姿勢が悪いのかもしれない。

背筋を伸ばし、力を入れやすいように少し踵を上げる。

いきむ。

いけそうだ、この字の気配を感じた。

もう少し力を入れれば…でもあんまり力を入れると血管が切れそうで怖いな…と思っていたところでこの字が引っ込む。

このやろう。


悠長に戦っている場合ではない。

こういうのはシグナルが出ているうちに始末しないとマズイ。

もう一度いきむ。

さっきより力を入れたおかげでいけそうな予感がする。

ん、辺りまで来た。

に、までいければあとは自動的に出るはず。

しかし、にが遠い。

ダメなのだろうか…?

いや、自分を信じるんだ。頑張れ!





こんにちは!


このカスが。私を舐めるなよ。

しかしダメージも大きかった。穴がジンジンと痛む。

ともあれお尻を綺麗にしよう。

シャワーのボタンを押す。

すると私は飛び上がった。

しみるのである。

これはまさか、どこか切れた…?

恐々ペーパーで拭くも、赤いものは付いていなかった。

大丈夫なのかな?と思いもう一度シャワーを当てる。

しみる。

つらい。


ともあれ、用は済んだ。

その後の私は買い物に行ったり散歩をしたり立ったり座ったりしたが、ずーっとケツが痛い。

血の流れに合わせて尻穴がズッキンズッキンと痛みを主張してくる。

血流って力強いんだな、と思った。

ああシリアナが痛い。


そんな訳で今朝から私の脳みその大半はシリアナの事で埋められており、何をしても楽しめないのである。

せめてこの痛みと怒りを文章にしなければ気が済まないのである。

もし明日も痛みが続くようであれば病院に行こうと思っているのである。

でも他人に尻を見られるのは嫌だな。

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