技術屋残酷物語5(野良犬放浪編)

のいげる

初めに 

 ここからはフリーランスとして生きることになる。

 会社で生きる人間たちもロクでなしばかりだが、それでも湾の中の水面のようにまだ穏やかなぬるま湯の世界であった。

 会社という後ろ盾がないフリーランスの世界は厳しい生存競争の世界だ。

 それも技術で戦うのではなく、コネや我儘や図々しさを中心とした煮えたスープのような地獄だ。

 それは元請け側も同じで、立場の弱い下請けを詐欺師が食らうような嫌な世界だった。


 ここより先、出会う人間はますます酷くなる。そしてその中で野良犬はありとあらゆる人でなしたちによりひどい目に遭うのだ。


 この恨み、書かずにおくものか。

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