第102話 三人目
……俺は地上へと戻ってきた。
砂浜にて。
「ふ……やっぱりね……」
エルフのエリスがどこか諦めたような表情でつぶやく。
俺の隣には人魚のマリンがいて、くっついてる。
「エリスちゃんよろしくですぅ~♡ マリンちゃん今日からご厄介になるでーす♡」
ひょんなことからマリンが俺の女になった。
俺はもちろん置いてこようとした。だが、そうするとこいつの親が『そうですか……』と非常に残念な表情を浮かべ……。
『では私の命を差し出しましょう……』
『いらんいらんいらん!』
……とまあ、そんなことがあり、この女を捨てておけなかったのだ。
と、エリスに説明する。
「むむぅ……仕方ありません。第三夫人になることを、ゆるしましょう!」
ずびし! とエリスがマリンのほうを指さす。
「わーいです♡ よろしくです先輩♡」
「先輩……! なんていい響き……!」
チョロい女だ……。
「しかし意外とあっさり許したな、おまえ」
マリン加入について、もっと渋るかと思ってたんだが。
「本音を言うと嫌ですよ。新しい女を加えるの。でも断ると、この子の親が死ぬんでしょう?」
「まあな」
「で、ダーリンはそれが嫌だと」
「ああ」
「じゃあ許すよ♡」
ニコニコしながら、エリスが言う。
「ダーリンは本当に優しい人だって、知ってくれた人が増えましたからね! エリスさん的にはそれがうれしいです!」
「だから許すと?」
「はいっ。あ、でもダーリン、3人までですからねっ。四人目はいかんですよ!」
「わかってるよ」
こうして3人目の女がパーティに加わったのだった。
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