幼なじみ
狐につままれる
第1話 自殺
死にたくないから物語を書いていた。
必死に書いて、時間なんて気にせず
孤独を埋めるように話を書き進めた。
惰性で書いた作品が世に出て、知ったような顔で人が作品を評価する。
こんな世の中が嫌いだ。
これはフィクションだから頭の中に描いた想像を文に書き写してまとめただけ。
それだけで人は泣いて笑って怒って
感情を移入して実際に体験したかのように。
こんな物を世の中に出していいのだろうか
僕には人生なんてなかった。
僕の人生を生きたかった。
これが彼の遺言書です
そう伝えるとそそくさと部屋を出た。
彼は死んだのか。昨夜幼なじみの翔が死んだ
飛び降り自殺だった。昨日の朝は一緒に学校へ登校して6時間授業を受けて家に帰り
いつも通りの生活だった。
自殺をするような、そんな素振りもなかった
頭が真っ白になった、翔が自殺をしたと
陽気で明るくて人懐っこい性格の彼が自殺。
遺言書を読んで思ったのは彼が小説を書いていた事だ。
全く知らなかった。本を読むのは好きだと聞いていたが小説を書いているとは思わなかった。
そんなことを考えていると、翔の母が
「あなたにしか見せたくないってこれを」
くしゃくしゃした紙を渡してくれた
人に渡すような紙では無いが僕のためにと思って見てみると、
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