第19話 『ちんもくステーション』 その3


 『とりあえず、部屋にいってみるか。』


 と、おじさんがのたまいました。


 『ええ、そうですね。』


 601と、603ということで、部屋は6階にある、というのは、そのとおりで、1階ずれてるとかというのはなく、無事に見つけることができました。


 『なんだか、心配なんですが。』


 『わかるさ。なかに入ったら、異世界だったなんてな。しかし、あんたは、夢を見てるだけだからな。おいらは、夢そのものだぜ。』


 『まあ、そのあたりも、良く分からないのですが。』


 『まあな。いいよ。先に入りな。見てやっから。』


 『ありがとうございます。』


 ぼくは、鍵を開けようとしましたが、カードキーというのは、あまりやったこともなく、これが、なかなか、上手くゆきません。


 おじさんは、面白そうに眺めています。


 何回か苦心惨憺したあげく、やっと、ドアが開いたのです。


 『やったな。何々。狭いなあ。ま、そんなもんか。』


 『普通ですね。窓はありますが、板張りですね。』


 『まあ、たまにあるよな。ダイジョブだろう。おいらも部屋を確かめる。あとで、食事とか探そう。』


 『そうですね。』


 おじさんは、すっきりと、自室を開けたのです。



         🚪


 

 ぼくは、自室のベッドで、うたたねをしてしまったようでした。


 たしかに、かなりお疲れ様モードだったのですから。


 1時間は寝ていたらしい。


 じーん。じーん。じーん。じーん。


 『あ、で、電話だ。』


 まさしく、電話の呼び出し音でありました。

          

 そうなのです。電話機があったのです。


 なかなか、おしゃれな、縦長の電話機です。


 『は、はいはい。』


 『おーい。一休みしたら、ホテルの散策にゆこうか。』


 『あ、そうですね。』



         ☎️









  

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