第3話 『待合室にて』


 豪華な広い待合室ですが、なんと、誰もいませんでした。


 ここには、入ったことがありませんです。はい。


 かなり不気味です。


 反対側にキオスクがあります。


 そこに、おばさまがいるではありませんか。


 発車までは、まだ、1時間あります。


 『こんにちは、今日は、お客さん、少ないですね。』


 『控えめにいってくれてありがとう。あなたが、今日、一番目です。』


 『はあ。それは、特別れすか?』


 『まあ、だいたいこんなもん。何が要りますか?』


 『ああ、では、あんぱんをいっこ。』


 『はい。あんパン。サービスで、ガムつけます。15ドリム。』


 『お安いですね。』


 『夢の中くらい、安くないとね。もう、やってられないでしょ?』


 『まったくだ。』


 が、まあ、なにもしないで待つのは得意です。


 唯一の特技と言っても、あながち間違いではないでしょう。



 すると、その珍しい2番目のお客さんが入ってきて、わざわざ、となりに座りました。


 『あなた、観光列車すか?』


 『はい。』


 『よかった。お連れさまがいた。観光列車は、かなり、過激と聴きましたからな。ははははははは。』


 『過激なんですか?』


 『そらも、はらわたが飛び出し、めんたまが空を躍り、身体がばらばらになるとか。ははははははは。ま。夢ですが。しばしば、起きてみたら、なぜだか、ばらばらだったとか。はははははは。』


 『そりゃ、映画でしょ?』


 『まあね。しかし、あんさん。起きたら、ばらばらになってしまったひとが、その前に、どんな夢を見ていたか? わかりませんやろ。』


 『それは、そうですが。なかなか、ばらばらにはなりますまい。』


 『最近、連続ばらばら事件が起きてますやろ。関係があるらしい。あっしは、探偵、をやってましてね。調査に来ました。』


 『それは、秘密では?』


 『あんさん。夢ですぜ。秘密なんかないぞな。』


 『はあ……… 』


 そんな危ない汽車ならば、やめようか。乗らなければいいんだから。


 『あ、切符を買ってのらないと、暗黒団が、処刑に来るとか。』


 暗黒団の話しは聴いています。


 最近多発している傷害事件です。


 殺害はしない、傷つけるだけですが、かなり手荒なことをやるらしい。


 ヒトクイありさんを、家にばらまいて行くとか、わにさんを、置き土産にするとか。


 しかし、大概は、不思議と、ぎりぎりで助かるようなのです。


 『そんなもんが、夢と関係してるんですか?』


 『あい。あっしがにらんでるところでは、‘’夢・みらい管理庁‘’、が、かんでると。』


 『へぇ。』


 『切符を買った以上は、乗るほうが、あんぜんですぜ。まあ、しょせん、夢よ。〽️はあ〰️〰️、あ、夢はよいとこ。一度はおいれ。はい、はい。〽️』


 そのひとは、変わった歌を、歌い出しました。


      _(`O`)♪


  


 


 


 

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