第4章 神永未羅の場合 第30節 天の岩戸で綱引き大会
私が提案したのは、早い話が、ザ・クラッシュを神がかりにして、パワーアップしようと言う作戦だった。
まず、
神さまだって、不潔な女はイヤだよー。
次に私は、コンクリ構造物の
それでガマンした。
他にも、いろいろ必要なんだけど省略した。
ニーナのメイク用の手鏡だけ、倉庫の外にポンと置いといた。
そう言い残して、倉庫のドアをバタンと閉めた矢先に、ニーナの金切り声が聞こえた。
「ごつせぶくいいん!ざふぁしれいじいいん!えめいじゅあもーろーん!ぽてんちゃはいぼーむ!」
高音のキーキー声で、歌詞も良く聞き取れないけど、どうやら歌の積もりらしい。ちゃんとリズムも取ってる。ポリタンクをポコポコ
だけどぉ、人がこうやって
あの方がたが、この山の上に現れてくれなきゃ、なんにも始まらないの。
ニーナと
「あほーとろーえぬ、ろーうぉん!あほーとろーえぬ、ろーうぉん!」
「あほーとろーえぬ、ろーうぉん!あほーとろーえぬ、ろーうぉん!」
「あほーとろーえぬ、ろーうぉん!あほーとろーえぬ、ろーうぉん!」
「あほーとろーえぬ、ろーうぉん!あほーとろーえぬ、ろーうぉん!」
「そこに
ドア
私はドアに
案の定、ドアの向こう側にいる女が、ものすごい力でドアを引っ張った。
両サイドでドアノブを引き合う、女二人の力くらべになった。
私はドアの向こう側にいる女、つまりザ・クラッシュに向かって、こう言った。
「ザ・クラッシュ、私が言った通りに、あんたも続けなさい。」
ザ・クラッシュ「分かった。」
私「仁王様、仁王様。どうか私に、力をお貸し下さい。」
ザ・クラッシュ「仁王様、仁王様。どうか私に、力をお貸し下さい。」
私「これから合い言葉を言うわ。言葉が合えば、このドアは開く。あなたの望んだ物が、手に入るわよ。」
ザ・クラッシュ「合い言葉なんて、聞いてないよ。」
私「いえ、知ってるはずよ。言葉が降りて来なかったら、それまでの話よ。それじゃ、言うわ。【ア!】
ザ・クラッシュ【ウン!】
ドアがガバッと開いた。私はドアノブに、つかまったまま、倉庫の外に放り出された。
ザ・クラッシュの
もしかして、ブチ切れてる?
私「ねえ、
ザ・クラッシュ「え?怒ってないよ。なぜ?」
あ~、良かったぁ。
このヘンな
ザ・クラッシュは、重い鋼鉄製のドアを指先で、ひょいとツマミ上げ、部屋のすみの方にブラ下げて行った。
仁王様の力が、ザ・クラッシュに宿ったんだ。
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