「今日はこの辺りを案内してあげる!!」

城の外を見に行きたいとリナに話していたところ、それを聞いたリリアーナが案内してくれることになった。

「僕も行きたい!!」

ルーンも街に興味があるようだ。

それにしても

「ルーン、最近活発になってきてない?」

「そう?」

「うん。初めて会ったときと比べるとね」

「ああ、あのときは長い眠りから目覚めたばかりだったからね。疲れてたんだよ」

冬眠でもしてたのか?

ボソッ「クマみたいだな」

「何か言った?」

俺の独り言を聞き逃さなかったようだ。

「いえ、何でも」


城の近くには湖があった。こんなに寒いのに凍っていない。不思議だ…。探索魔法で調べてみると何やら魔力が宿っているようだ。

「魔力を感じますね」

「うん」

リナもルーンも気がついたようだ。

湖の中の一部だけ魔力が淀んでいるように感じる。もしかして、瘴気というものだろうか。瘴気とは人の負の感情や死んだ魔獣の残りの魔力が空気中に留まり、集まることで発生するものだ。溜まりすぎると精神にも人体にも影響を及ぼす危険なものだ。

よし、浄化しておこう。

そう思い魔法をかけるとパアッと湖全体が光った。魔法の範囲が大きすぎたようで湖ごと覆ってしまった。天にも届く勢いで光っている。

「レオン!?一体何してるの!?」

「ちょっと浄化をしたんだけど、やり過ぎたみたい…だね」

魔力の加減って本当に難しい…。まあ浄化はできたし、いいか。

そう思って城に戻ってきたが、

「さっきの金色の光の帯はなんだい!? ここからも見えてたんだけど!!」

「レオンがやったのよ」

「実は、湖の中が一部だけ淀んでたので浄化しようとしたんですけど…やり過ぎちゃって」

「そうだったのか!! 僕も側で見たかったよ。惜しいことをした…。しかし、一部だけ?」

「はい。一部だけでした」

「その淀んでた場所教えてくれないか?」

そう言われ教えると、すぐに城内に入っていってしまった。

どうかしたのかな?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る