感染症

先程リガルドを出発し、王都の隣町リッフェルに着いたところだ。リガルドの冒険者ギルドの人々にはもう行くのか…と惜しまれた。


リッフェルの冒険者ギルドに到着したが、何やら騒がしい。どうやら最近感染症が蔓延しているようだ。感染症に罹った人々は1箇所に隔離されているようだ。ギルドでは治癒魔法が使える魔術師やサポートができる魔術師を募っていたが、皆危険だからとあまり行きたがっていない様子だ。


「リナ、ルーン、俺は行くよ」

「ええ⁉ もしものことがあったらどうするんですか!!」

「まあいいんじゃない、レオンだったら大丈夫でしょ」

「うん、大丈夫だよ。防御魔法をしっかり張っていけば感染しないから」

「!!防御魔法にそんな効能あったんですか!?」

「この前、探索魔法で調べてみたらあったけど…もしかしてないの?」

「普通はありませんよ!!」

「ルーンは使える?」

「うん。もちろん!!」

だったらリナには俺が防御魔法をかけるか。

そして絶対に危険になったら帰るとリナと約束をして、行くことに決まった。

「え!! 君が行くの?」

受付のお姉さんに言ったら驚かれた。

「はい!!」

「えっと、ちょっと待っててね」

そう言って誰かを呼びに行ったようだ。

「おう、お前が行くっていう子供か? 名前は何だ?」

「レオンです」

「‼ ああ、あのレオンか!!」

「あの?」

まだ子供じゃないか、有名な子なのか、と周りから疑問の声が上がる。

「あれだろ。ビッグウルフを1人で5体も倒して、盗賊を10人ぐらいやっつけたって噂になってるぜ」

「ええ!?」

これには驚いた。俺としてはたまたま現れたのを倒していっただけだったのだが。

嘘だろ!!あんな子供が!? と今度は驚きの声が上がる。

「とりあえず、依頼を受けたいのですが」

「ああ、頼んだぜ。まあ、危なくなったら帰ってこい!!」

「はい!!」

俺たちは冒険者ギルドを出て、隔離されている人々の元にまず向かうことになった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る