冒険者登録1

この世界の冒険者は一人でもパーティーを組んで戦うこともできる。まずは薬草採取や小さい攻撃的でない魔物と戦うことで魔法の使い方に徐々に慣れていくのが一般的らしい。そしてある程度慣れてきたら、個人練習をしてレベルを上げていくらしい。というわけで、「冒険者登録がしたい」とお父様のところに行ったところ、「ダメだ」と即行で却下されてしまった。

なぜだ……。

理由を聞いたところ、「危険だからだ」と即答された。ああ、それもそうか。前世での年齢を足すともう40歳を超えるが、お父様からすると、まだ魔力登録が終わったばかりの10歳の子供だ。危険なところに行かせたくないのはよく分かる。俺も父親なら絶対に止めるだろう。まあ、危険があるのは初めから分かっていたことだ。魔法を極めるチャンスなのにそれだけの理由で絶対に諦めることはできない。


しつこく粘った結果、条件付きで許可を得ることに成功した。その条件とは俺の専属侍女リナを同行させることだ。この侍女、普通の侍女かと思っていたのに、そうではなかったらしい。冒険者登録もしており、なんとAランク。今はいざというときに主を守れる強い侍女が普通らしい。ああ、ちなみにランクに関してだがSSS〜Fまである。Sランク以上は世界でたったの7人。Sランク以上といってもSSSとSSランクの持ち主は今は存在していない。かつて、大魔法師と呼ばれて慕われていた凄腕の魔法師や災厄から世界を救った救世主がSSランク以上だったと言われている。Aランクも数少なく、騎士団長も目指せるほどだ。


明日冒険者登録をし、冒険者になる。まだ10歳だが家を離れ、外でしばらく暮らすことになる。今までたくさんの人に囲まれて生きてきたから少し寂しくはなるが、明日からが楽しみだ!!

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