第1462話 究極超神化6の使い方。
『究極超神化6/スピリットプラチナ・フォルテシモ』
それは、無上の輝き。
白金に、淡い金をちりばめた、凍てつくようなオーラ。
まるで、泡で出来た羽のような光が、荘厳に、穏やかにまたたく。
――と、そこで、
センは、右手を天に掲げ、
「――『永劫閃世界』――」
『センにとって都合のいい空間』を創造する魔法を使う。
今回創ったのは、
体感時間が圧縮される空間。
究極超神化6は、1分限定の技だが、永劫閃世界の中でなら、1時間くらいは維持できる。
※ 実際に一時間維持しているというワケではなく、
あくまでも『そう感じるだけ』だが、
この空間内にいる者にとっては同じこと。
ちなみに、当然だが、
『誰かにとってだけ都合のいい世界』の強度は、
豆腐メンタル級に脆い。
ゆえに、あらゆる方法を用いての強化が必須。
全ての状況を整えたセンは、その涼やかな瞳で、
バンスールを見つめながら、
「お前が次元を割いて現れた時から、準備をしていた。俺に存在を悟らせなかった時点で、お前が『俺案件』なのは確定。だから、俺の人格を宿した『ミガワリヤドリギ』をオートで動かし、次元の裏で完全集中の時間を稼がせてもらった」
暴露のアリア・ギアスを積んで、
『閃世界』に『調律』をくわえていく。
「アバターラを使ってしまえば、完全集中状態は保てないからな。アイテムを使うしかなかった。……まあ、とはいえ『ミガワリヤドリギ』を使用するにも、ある程度のオーラは使ってしまうから、本当の『完全集中状態』ではなかったが」
センの言葉を受けて、
バンスールは、ワナワナと震えながら、
「ただのアイテム……あれほどの超越的な強さが……アバターラですらない……人形……」
ボソっと、そうつぶやいた。
その姿を受けて、
センは、イタズラが成功した時の子供のような笑顔で、
「気づきもしなかっただろ? なんせ、戦闘力とフェイクオーラに極振りした究極超神器だからな。おかげで、完全集中状態の時間を稼げた。とはいえ、ミガワリヤドリギと完全にリンクを切ることはできなかったから、最短の5分で変身完了とはいかなかったが」
オートで動かしてはいたが、
オートで動かすための根源的システムとのつながりを切ることはできない。
「結果的に、10倍の集中時間を必要とした。いやぁ、長ぇ、長ぇ……究極超神化6は本当に、使い勝手の悪い技だ。『同等の敵』が相手の場合、本当に、本当に、本当に、積むのが大変な『ほぼ死に技』……まあ、だからこそ『使うと決めた時には確実に使える』よう、長い人生の中で、いろいろと試行錯誤して、常に準備万端の状態にしておいたんだがな」
どうすれば究極超神化6を有効活用できるか。
それに費やした時間は数えきれない。
『ミガワリヤドリギ』は、かなり高性能な究極超神器。
元々のアイテムの性質上、アバターラのような、
強烈な存在値を持つ分身にするのは難しいが、
いろいろと工夫をすることで、
『戦闘力の1割』を再現することなら可能となった。
「ちなみに、お前相手だから、『ミガワリヤドリギ』を一つしか使わなかったが、他にも『同等クラスを相手にした時用』に、いくつか、超々々ハイスペックな究極超神器を用意してある」
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