第6話 彼女、3D。
本編第2話「カヌキさん3D」
https://kakuyomu.jp/my/works/16816700428006723904/episodes/16816700428006805296
ネタにした映画
「リング」(1998)
「貞子3D」(2015)
こんちは。うびぞおです。
第6話は、本編の振り返りとなります。
第2話でネタにした映画は、「リング」。そう、貞子さんでした。第1話でネタにしたのがマイナー(映画ファンからすれば全然メジャーだと思うけど)映画だろうという自覚はあり、次は誰でも知っていそうなホラー映画を持ってこようとした記憶があります。30年近く前に生まれた貞子さんは、令和の今でも映画になっていて、邦画ホラーの立派なアイコンになっています。今でもあちこちで貞子さんを見掛けますが、うびぞおにとって最もインパクトのあった貞子さんは、サッカースタジアムで見掛けた貞子さん(小太りなおじさまのコスプレ)で、歩き回って子供たちに飴を配っておられました。そして、我が家には、ねんど⚪︎いどの貞子さんがあります。可愛いですよ。
人間は、経験を重ねて記憶していく生き物です。そして、ある経験をしてしまえば、その経験を知らなかった状態に戻ることはできません。
いきなり何言ってんだ、うびぞお、とお思いかもしれませんが、聞いて(読んで)下さい。
当たり前なんですが、映画は1回観てしまうと、もう観る前には戻れないんです。つまり、怖いホラー映画を観たら、本当に怖い思いができるのは最初に観たときだけなんです。
時を戻して、記憶を消して、この映画を観た時に発生した恐怖感をもう一度、味わいたい。そんなホラー映画はいくつもありまして、「リング」もその一つです。
できるなら、「リング」を初めて観た時に戻りたい、もう1度、あのラストシーンに恐れ慄きたいんです。それくらい、「リング」は大好きなホラー映画なんです。
初めて観た当時、既にそれなりの数の映画を観て、ホラー映画にも慣れていた頃でした。ある夜、知人宅に集まって、「リング」を数人で観ていたところ、あ、これ凄いよくできたホラーだと思いました。
電話が鳴ったり、顔が歪んだ写真だったり、もちろん、ビデオに録画された気味の悪い断片たちだったり。「リング」の意味が分かった時は、怖いというより切なかったり。とにかく見せ方が良かった。ちなみに、うびぞおが良かったというのは、ホラー映画の場合は、怖がらせてくれる、驚かせてくれる、ということになります。
そして、なんと言ってもラストシーンでギシギシと近寄ってくる貞子を見て、もう本気で怖かったし、あの目には飛び跳ねるくらい驚きました。
そこまで自分がビビる映画って多くはないですし、2度目、3度目に「リング」を観た時には、それはそれで楽しかったのですが、もう、さして怖くはなくなっていました。
あー、もう1回、貞子さんを怖がりたい!! そんなことをずっと願っています。
なんて貞子さんばかりを持ち上げましたが、本当に怖いと思ったのは、そのキャラクターやビジュアルではなく、そのビデオを見ると1週間以内に謎の恐怖に襲われて非業の死を遂げるというシチュエーションです。
この1週間という隙間がミソで、1週間の間に何度も怖いことが起きて、自分の死がジリジリ迫ってくる。このじわじわ感。人間は寿命が尽きることを本能的に恐れているので、自分はもうすぐ死ぬ、しかもひどい死に方で、という状況をいきなり突きつけられる恐怖、そしてそれを巧みに見せてくれる。だから、無茶苦茶怖い。そんなところがうびぞおの「リング」大好きポイントです。
ちなみに、ホラー映画を嗜んでいるからといって、「死」を軽視しているつもりはありません。
現実とノンフィクションの区別は自分の中でははっきりしています。
うびぞおは、今こうして生きている
で、「リング」に話を戻しますと、「リング」の続編はほとんど(調べたら全部じゃなかった……)観てますが、まあ、続編に旨いものなし、ってカヌキさんがよく言ってますように、その後の「リング」シリーズは、別に印象に残ってないです。ナオミ・ワッツが主演したハリウッド版「ザ・リング」(←ゴア・ヴァービンスキー監督作品好きです)と「ザ・リング2」の方がよくできてたから、そっちの方が好きです。あとは「貞子vs伽耶子」の前半は良かった。
強いて言えば、仲間由紀恵さんの演技がアレな「リング0」、石原さとみさん最強の「貞子3D」、小芝風花さんが可愛い最新作の「貞子DX」は嫌いじゃないです。でもこれは、怖いというより笑えるからとか、女優さんが頑張って演技してるのが好きだから、といった理由の方が大きいです。
そんなわけで、本編第2話に「リング」を持ってきたのは、やはり、思い入れのあるホラー映画だからというところが大きいです。あとは、貞子さんを全く知らないということ、イコール、ミヤコダさんが映画を全く知らないと端的に伝えられるだろうという計算です。ついでに貞子さんをダサコと呼ばせたのは、その場の思い付きですが、ミヤコダさんの中では、サダコというワードは無意味でも、ダサいというワードは日常的な言葉であることを示してます、
というのは今考えた後付けです。へへ。
ホラー映画好きと映画知らずの出会い。
そこに「リング」を持ってきたのは、うびぞおらしかったと思っています。
次回は、短編「彼女、危機一髪!」の再録と、ネタにした映画についてぼやきます。1週間後を目指しますので、よろしければ、また来週。
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