ロスト ウェポンズ レコード

ロスト

第1話 旅立ちか始まりか

ここは東京都にあるとある資料館

僕は訳あってここの管理をしている

、、、

物音がする、来客だろうか

磨いていた杖を背中に戻して玄関に向かう

窓からは光が差し込み、辺りを照らしている

そして玄関には、女性が1人、フード付きのローブを身に纏っており、顔はわからない、武装は1本の槍

「どんな資料をお探しですか?」

「英雄、いまだあと戦いから3年ほどしか経っていないにも関わらず、伝説となり二つの世界を救った、武神ロストについて聞きたい」

「武神ロスト、ですか」

「ええあなたは彼と共に戦ったうちの1人だと聞いたから」

「確かにその通りです」

「いいでしょう、本来はロスト本人に聞いた方がいいんでしょうが、今となってはもういませんから、この話は僕が語り継ぐ物語です」

数年前 東京都のとある高校、ここからロスト 本名 失尾 剣の物語はここから始まった

キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴り授業の終わりを告げる

少し騒がしくなり始める教室、俺は友達もいるがそこまで目立つタイプでは無い、でも俺はこの雰囲気が好きだ

ふと今日のログボを取っていないことを思い出し、ゲームを起動する

「まぁーたゲームしてるの?」

「別にいいだろ」

いったそばから俺の友達だ

彼女は針生 莉央、まぁ昔からの友達で付き合いは長い、ゲームも良く一緒にする

「次体育だけど?」

辺りを見渡す、ほとんどの人はもう移動し始めている、

「よくなかったな、ありがとな」

少し急いで移動する

数十分後

怪我しちゃったなぁ

保健室で治療はしてもらったが、まだ少し痛む、授業はもう始まっているし、廊下には誰もいないはずだが、少し物音がする

誰かいるのだろうか、

渡り廊下、教室のある南校舎に向かうにはここを通らなくてはならない、

一応、面倒な奴だったら困るので、そーっと顔をのぞかせる、やはり人が、、いる、

、、、、

あれは人なのか?

俺より背は低く、肌の色は緑、耳は長く、口には鋭い牙、そして手には斧を持っている

まるでゲームにでてくるゴブリンみたいだ

確実に人じゃないな、まだ敵対的とは限らないが、どっかの宇宙人が交流しに来ただけかも、、

「ニンゲン、コロス」

はい敵対的ですねぇ、

逃げるか ?

それともやりあうか

カランカラン

後ろで箒が倒れる、それとほぼ同時ゴブリンがこちらを向く

選択肢は一つになったな、倒れた箒を拾いあげて構える

「こいよ」

走って突進してくる、単調な攻撃だが身体能力はおそらく一般人の俺より上、油断はできない

斧を振りかぶっての攻撃、右に移動してかわす、そして懐に箒の先端を突き立てる

「ウグゥ」

ダメージはあるようだな

箒でゴブリンを押して、少し距離を取る

そして今度は思いきり横に振りかぶって、顔面に打ち付ける

「よし!」

続けて手にも箒を当てる、斧を落とした、

箒を左手に持ちかえ、右手で斧を持つ

これでほぼ無力化できただろう、

ゴブリンは右手を振り上げる、

「何をする気だ?」

まさか、爪で引っ掻く気だ!

箒で防ぐ、しかし箒が切り裂かれ頬に傷がつく

この前だとこっちが殺される

右手で斧を振り上げ、脳天目掛けて振り下ろす!

脳天に斧が突き刺さった瞬間斧もろとも塵となって消えた

「はぁはぁ、」

「やったのか?」

足の傷も頬の傷もまだ痛む、やはり現実だ、

?、

床に何か光っている物が、、これは水晶だろうか?

一応拾って、やべ、手が滑って

水晶が床につき、パリンという音を立てて割れる、そして中から光のような物が流れ出て消えていく

「やらかしたぁ、どうしよ」

、、なんか頬に違和感が、触れると傷から流れ出ていた血は止まり、傷は塞がっている

足の傷さえも痛みがない、絆創膏を剥がしてみると、案の定傷は治っている

どうなって、

LEVEL UP

いきなり視界に文字が表示される

まじでゲームかよ、てことは俺のレベルが上がったから傷が治ったってことか?

まぁとりあえずはそういうことにするか

魔法使えたりは、、さすがにまだ無理だろうな、なら初期装備ぐらいは、、、

どうやって出すんだ?

チュートリアルは、せめて目印ぐらい

あった、左手に青い目印のような物が付いている

こいつをどうするんだ?

なんとなく右手を左手にかざす、するといくつか欄が表示される

えーとインベントリ、スキル、魔法、ステータス、装備、

「今はこんなとこか、」

とりあえず装備の欄を開く、えーとあるのはまぁ簡単に分けるなら、軽装、重装、あとは魔法使い用の防具だな

とりあえずいつもしているゲームみたいに

両手には重装のガントレット、足には同じ重装のブーツ、そして胸当てを装着し、あとは膝当て肘当てを装備して残りは軽装で埋める

武器は、片手剣にするか、

始まりの剣

初心者が使う一般的な初期装備、対策手入れも要らず、破壊されることもないがおそらく詰み対策だろう

「装備はこの程度でいいか、」

続けてステータスの欄を開く、

冒険者名 [ ]

まだ決めてないから空欄なのか、とりあえず、ロストっと

HP 120 MP25 力 43

素早さ 50 防御32 魔力38

「どちらかというと力と素早さよりか」

「初期にしてはいいんじゃないか?」

あとスキルは、

使用可能スキル スラッシュ、ストライク、クロー

使用可能魔法 なし

隣の欄は、

固有スキル:使用可能レベル 5 と言う表示と、多種多様なら武器が円状に並んだ紋章か記されている

俺専用スキルってとこか?

この紋章は関係あるのだろうか、

スキルの発動条件は、スキル名を呼ぶことで可能、か

クローってのは、さっきゴブリンが使ってた技か?

今は予測に過ぎないが、あのクリスタルを破壊すれば技を会得できるのかもしれない

技名を言うのは、

「ちょっと恥ずいな、」

まぁとりあえず、さっき即時装備の欄があったから、そこに今の装備設定していつでも装備できるようにしとくか」

今度こそ渡り廊下を渡り、教室に向かう

「なんか赤い物が、」

視界に赤い、カーソルのような物が表示される、、それと、悲鳴

間違いない、敵だ

急いで装備を装着し、廊下に飛び出す、もう避難は開始されてる、敵の数はゴブリンが5対ぐらいか、1人すでに襲われてる、

「試してみるか、」

剣の先端をゴブリンの先端を向ける

「ストライクッ!」

体が剣に引っ張られるように突進する、

当たった、さっき戦った時より、ダメージが上がっている、武器を変えたのもあるだろうがステータス補正のおかげか?

まぁいい、

「さっさと逃げろ!」

生徒は逃した、もう一度剣を構え、今度は別の技を試す

「スラッシュ!」

次はさっきのような突進技ではなく、横に剣を振り、ゴブリンの体を切り裂き、ゴブリンにトドメをさす

そして落としたクリスタルを手に取る、

カーソルの表示はレコード:スラッシュとなっている、どうやらこのクリスタルはレコードと言うらしい、そして先程と同じように砕くと、スキル欄のところ、スラッシュがレベル2となり強化された、やはりあの仮定は合っていたようだ

続けて次のゴブリンに向かう、もう向こうもこちらに気づいているようだ

スキルはまだインターバルがあるせいで使えない

通常攻撃で攻めるしかない、

「ウガァァァ!!」

くるッ!

ゴブリンの蛮刀が輝いている、新しい技か、

左に身を傾けてかわす、そして下段に構えた

片手剣を振り上げる、

命中、しかし手応えが少ないスキルのインターバルはもう切れてるなら、

「スラッシュ!」

直撃!このまま連撃、

「オラァ!」

剣を振り切った直後剣を振り下ろし、トドメを刺す

残り4体、

続いて、後ろにいる別のゴブリンに向けて左手を振りかぶり

「クロー!」

ガントレットを着けている以上、ゴブリンのように切り裂いてダメージを与えることは期待できないが、まぁテクニックとしては使えるだろう

!?

火の玉が顔のすぐ横を通り抜ける、発射地点を見ると、斧や蛮刀といった武器ではなく、杖を持ったゴブリンがいる、

「魔法か、」

できればあのゴブリンを先にやりたいが、その前には3体ゴブリンがいる、

考えても仕方ないな、とりあえずさっきダメージを与えた、ゴブリンにもう一度攻撃する

「ストライク!」

顔面に一撃、あと2体

また魔法、今度は左手に当たってしまう、

かなりのやけどだ、早くレベルが上がって治ればいいが

今度は2体横に並んでる、ならばスラッシュで一気に、

「スラッシュ!」

顔面に直撃、2体とも一撃で葬った、あとは一体だけ、あの魔法野郎だけ、

またあの魔法っ!

剣を横にして防ぐ、

「いてぇ」

気づけば、魔法から火が燃え移り、身体中火傷だらけだ

ステータスが低いのもあると思うが、敵を倒したのに、魔法のせいでろくに近づけない

「ストライク!」

無理やり接近、少しだけダメージを与えたが、また距離を取られた、

一か八かでやってやる!

「くらえッ!」

剣を投げる、当たらなければ、、負ける

、、、

当たった、させた、とどめを

疲労感でそのまま後ろに倒れる、

目を開くと、、

「ゴブリン!?」

武器は届かない、手をクロスして防げ、!?

「ガンッ!」

ゴブリンが何か衝撃をくらい、倒れる、

「大丈夫?剣?」

椅子でゴブリンを後ろから叩いたようだ

「莉央か、大丈夫だ、ていうかなんでまだここにいる?」

「いや、剣が心配だったし、あと、その傷で大丈夫って言われても、傷だらけだけど」

「あーまぁ、そこのレコード割ればレベル上がるだろ、」

ひとまず、床に落ちているレコードを二つ割る

「レコードってなんのこと?」

「今倒したゴブリンが落とした水晶のことだ、それを割ればレベルが上がって戦えるようになる」

「なるほど、じゃあとりあえずこの足元のやつ割ってもいい?」

「いいぜ、ついでにレベル合わせたいからこれもな」

2つのレコードを渡す、

「わかった」

「これで両方レベル2だな」

「左手に印があるだろ?それに右手をかざして、装備とかを設定してみろ」

「わかった」

念の為、後ろを向いておく、

「今のうちにスキルとアイテム確認しとくか」

使用可能スキル

スラッシュ レベル2

ストライク

クロー

グレイブ

使用可能魔法

フレア

「よっしゃ魔法使えるようになってる!」

おそらくさっき倒したゴブリンが落としたレコードのものだろう

あとはなんかスキル覚えれたりしないかなぁ

スキルポイントってやつで習得できるのか、

うーん、とりま、雷魔法のサンダーと、スキルの方は、ターンスラッシュにするか

ターンスラッシュ:その名の通り回転斬り、スラッシュより威力も範囲も広くなっているが、隙が多い

ステータスの方は、上がってるな、やっぱ力と素早さよりだな、魔法が地味に高いのが気になるが、

アイテムの方は、なんかさっき落とした回復薬が3つと、ゴブリンの爪、蛮刀の金属片か、

「莉央、装備し終わったか?」

「うん、終わった」

振り返る、

「軽装にしたのか、武器は槍だし、ゲームと同じだな」

「うん、旅立ちの槍ってやつにした、レベルも2になったし、魔法も使えるよ」

「そうか、」

旅立ちの槍、始まりじゃないのか?

まぁ今はいいか、人によって違うだけかもしれないし

「名前はどうした?」

「スフェーンだけど」

「本名かそっちの名前かどうする?」

「別にあだ名みたいな感じで、こっちの名前でよくない?剣はロストでしょ?」

「まぁそうだな、じゃあそうするか」

「あと気づいてるかもしれんが」

上を指差す

「上のカーソルのこと?」

「ああ、そうだ」

上の階、ここは3階だから4階にいるようだ、

「どうする?上行くか?」

「様子見ぐらいにしとかない?」

「まあ行けそうだったらぐらいにしとくか」

「あのさ、ロスト、さっきから聞こえる音は?」

天井にはヒビが入っている、そしてそのヒビはどんどん大きくなっている、そして天井が抜けモンスターが降りてくる

「様子見する必要は無くなったな」

剣を再び構え直す

「ちょっと待って逃げ多方がいいんじゃ!?」

「スフェーン!もう来るぞ!」

瓦礫が崩れ落ち、モンスターが姿を現す、

名前はリザードマン、右手にはサーベル、胸当てや膝当てなどいくつかの装備、背丈は俺より少し大きい程度か、

あとスライムが何体か、

「スフェーン!、そっちはスライムを頼む」

「わ、わかった」

俺の方はリザードマンの方をやるか、まずは

魔法の試し撃ちと行きますか、

「フレア!」

左手を前に突き出し、手のひらから炎が放たれる

「どうだ?」

命中はした、しかし火属性だからか、ダメージはほぼないようだ

なら2つ目の魔法を使うか、

「サンダー!」

次は雷が飛び出し今度こそダメージを与える

「効いてはいるな」

近づくのは危なそうだな、でもこのままじゃ俺のmpが先に尽きるな

どうしたもんか、

奴が1歩踏み出す、

「どちらにせよ、やるしかないか」

こちらも一歩踏み出す 、そして剣を思い切り振りかぶり、

「グレイブ!」

剣が振り下ろされ、胸元に当たるが、鱗のせいで傷はつくがダメージは少ない、

「レベル差がありすぎる」

"クロス"

リザードマンの頭の上にそう表示される

「スキルか!?」

振り下ろし攻撃、剣を横にして防げ、

ガシャン!

ダメージは抑えたが、それでも重い、名前的にもう一発来そうだが、

やはり左からもう一撃きている

今度は防げない、

左手でなら、ガントレットのおかげで少し吸収できた、でも出血量がえげつない、

ガントレットの端から、血が垂れでている

ポーションを一つ飲み干し、HPバーが回復していくのを確認する

ちょっと変な味がしたが、まぁ気にしないでおこう

あとどれくらいで倒れてくれるだろうか

スフェーンはまだ戦ってるし、手伝ってもらうのは無理そうだな

"クロス"

「またかよ!?」

上からの振り下ろしはとりあえずかわす、問題は横からくる方、防ぐ方法は、剣でいけるか?いや相手はスキル、威力的に相殺は厳しい、ん?スキル、スキルならこちらもスキルで相殺できないか?

やってみる価値はある、くるのは右から、ならさっき習得したばかりのターンスラッシュで相殺してやる、

タイミングを見計らって

3、2、1、

「ターンスラッシュ!!」

直後、2つの刃がぶつかり合い、火花が散る、

重い、その一言に尽きるだがこれを弾ければ、隙を作れる、

全体重を乗せる、そしてこれは無意識だったが、剣の向きを変え、押し勝てばサーベルを床に叩きつけれるようにする

「うおおおおおおおおおお」

「ガシャン!」

「弾けた!」

ロストは押し勝った勢いと、スキルの機動によって一回転し、剣を振り切った、少しばかり隙ができたが、サーベルが床にめり込んで

抜けないあいつよりは早い、

念には念を入れる、背後に回る、

あいつは今動けない上に、小回りは俺の方がきく、ならこのまま背後からボコボコにする

「スラッシュ!ブレイブ!ストライク!」

奴の背中が切り裂かれ、できた傷口に剣を刺し込む、

「からの、サンダー!」

雷が金属製の剣を伝い、傷口から直接電流を流す、

「よし、流石に倒れ、ぐおっ!?」

驚きと痛みのあまり、その時は変な声が出た

頭の表示を見逃した、気づいていれば攻撃は避けられたのに、今回のクロスは横に切ってからだった、右の腹に大ダメージを受けてしまった、2撃目がくる、このまま俺は死ぬのか?、それともまた突破口を見つけることができるのか?いや、今はスフェーンを少しでも助けれるように、僅かな力を振り絞り、剣を投擲する構えを取る

「グッ」

俺が投げる行動をとった時、目の前を水の槍が通り、リザードマンの頭を貫いた

「全く、剣はいつも無茶しすぎですよ」

そこにいたのは、俺のもう1人の親友だった


続く

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