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「ジラ。一緒にきてください。ここまで私に会いにやってきてくれたあなたにプレゼントをあげます」と薔薇色の液体を飲み干してから、グランドピアノの椅子から立ち上がってひまわりは言った。
「プレゼント? ひまわりが私に?」ひまわりのことを目で追いながらジラは言う。
「はい。そうです。私のプレゼントはジラ。あなたのような『ぶっそうなもの』ではありませんよ。きちんとあなたが欲しいと思っているものです」と楽しそうに笑いながらひまわりは言う。
ひまわりは小さな白いテーブルの上にあった白い小さな箱を開けると、「もういいですよ。お話は終わりましたから、みちびきはお返しします」とジラに言ってから、自分の太陽の形をした金色のイヤリングを取り出して、自分の右耳につけた。
ジラは銀色の月の形をしたイヤリングを手に取って自分の右耳につける。
「おはよう、みちびき」ジラは言う。
『おはようございます。ジラ。ひまわり博士との秘密のお話は終わりましたか?』と(ちょっと怒っているような、すねているような)不機嫌そうな声でみちびきは言った。
ジラは白い椅子から立ち上がると、ひまわりのあとについて部屋の中を歩いていく。
長方形の通路を通って初めに入った仮面のある部屋にくると、ジラはびっくりした。
そこには二人の人物がいた。
二人ともジラの知っている人物だった。
幽霊ホロウの街にやってきて、ジラがであった幽霊ホロウの女の子。
小枝つばさと水玉ひまり。
小枝つばさは最初に見たときと同じように白のフード付きの袖がぶかぶかの大きめのコートを着ていて、亜麻色の髪を三つ編みにして、フードをしないで、顔をだしたまま、ひまわりとジラを見ていた。
水玉ひかりはつばさと同じ白のフード付きの袖がぶかぶかの大きめのコートを着ていて、金色の肩までの髪に白い大きめのりぼんをつけていた。フードはしないで、顔を出したままで、やっぱり、ひまわりとジラを見ていた。
二人とも青色の大きな瞳の中に綺麗な星があった。
二人の幽霊ホロウが白い部屋の中にいつの間にかいて、二人は戻ってきたひまわりとジラをみて、うれしそうな顔をして、二人で一緒に、目と目を合わせて合図を送りあってから、「おかえりなさい。ひまわりお母さん。ジラさん」と声を合わせてそう言った。
そんな二人の声を聞いて、ようやく驚きで動かなくなっていた心と体が動くようになると、ジラは二人のところに駆け寄って、そのまま二人の小さな体をぎゅっと力いっぱい二人一緒に抱きしめた。
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