4
「つまり、もう空は飛べないってことだよね」
にっこりと笑いながら、いつもの明るい調子でまめまきは言った。
『はい。その通りです』
みちびきが答える。
「OK。じゃあ、とりあえず、自分の目でもUFOの状態をチェックしておこうかな? みちびき。UFOの外には、なんの装備もなしで出られる?」
『大丈夫です。地下の世界は地上の世界となんら変わりはありません。なんの装備もしなくても、問題はないはずです』みちびきは言う。
「OK。なんの問題もない。なんの問題もない」
ふふっと笑いながら、まめまきはまるで自分自身にそう言い聞かせるようにして、UFOの銀色の床の上を軽くスキップして歩きながら、言う。
『まめまき』
「なに?」
操縦室を出て行こうとするまめまきに、ドアが開いたところでみちびきが言う。
『装備は必要ないのですが、そのまま『武器』も持たずに外にでるのですか?』
みちびきの声を聞いてまめまきは壁にかかっている『自分の(うさぎの模様のシールがはってある)銀色のレーザー電気銃』に目を向けた。
そして数秒後に、「うん。武器はいらない」と言ってまたにっこりと笑うと、そのまま「じゃあ、またあとで」とみちびきに言って、まめまきは操縦室をあとにした。
みちびきはまめまきに返事をせずに沈黙している。
やがて操縦室の明かりは自然に消えて真っ暗になった。それはエネルギーを節約するための処置だった。
みちびきの映っていたパネルも消えて、まめまきのいた操縦室の中には、生命の存在を感じさせるものはなにもなくなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます