高いハードル

あべせい

高いハードル



 いきなりですが、私の家庭をご覧になったことがございますか。もちろん、ありませんよね。もしあったら、私が卒倒します。

 いまは、このようなジャケットにGパンというラフななりですから、家に帰れば、夏はステテコ、冬はジャージの上下といった、安直なかっこうをしているのだろうとお考えでしょう。しかし、これが大違い。

 夏はまるはだか、冬はどてらと、実にわかりやすいかっこうをしています。

 いまどき、エアコンもないのか、と軽蔑なさっておられるのでしょうが、冷暖房は体によくありません。人間にはもともと体温調節機能という便利な冷暖房装置がついているのです。

 それでも追いつかないときは、夏はたらいにたっぷり氷を入れて行水をつかい、冬は太った猫を抱いて、ふとんの中でまるくなる。これで我が家は一年中快適なンです。

 我が家といっても、私一人ですが。でも、たった一つ困るのが、ご近所の噂。

 あの男はけちで、扇風機もストーブも使わない。夏は氷を借りにきて、冬は猫を借りに来るが、まともに返したためしがない、って。

 しかし、これは心無いご近所の、あらぬ噂です。私は礼儀には口うるさい人間です。借りた物は返す。ですから、お借りしたものは、使い終わってから必ずお返ししています。例えば、借りた氷は、解けて水になってからお返しする。借りたネコは、エサを欲しがってまとわりつきだしたら返す。

 何か不都合がございますか。炭を借りたら、燃え尽きたあとの灰を返し、缶詰を借りたら、空き缶は必ず返す。

 それなのに、ご近所では、私のことを決してよくは言いません。何が難しいといって、ご近所づきあいほど難しいものはありません。

 この間もそうです。町内会のお祭りがありました。いわゆる秋祭りで、本来はお米の収穫を祝って喜び合うお祭りなのでしょうが、近頃このあたりではお米を作る農家は一軒もないため、神輿をかついで町内をぐるりと一周したあと、町内の集会所でカラオケ太会をするのが恒例になっています。

 私はお祭りのようなバカ騒ぎは性に合いません。ですから、その間、外に出ないで家の中でじっとしています。ところが、その日、私が居間でテレビを見ていると、神輿を担いでいた男の一人が突然我が家に飛び込んできて、台所に入るや、無断で水道の蛇口に口をつけて水を飲みだしました。

 私は後ろから近付くと、そいつの頭をゲンコでポカリとやりました。

 男は振り返り、「何をするンだ!」とどなり、私の顔を見て、「なんでここにいる!」と叫びます。

 「何をするンだ!」も、「なんでここにいる!」も、私の言うべき科白です。よく見ると、男は、隣家のご主人です。

 ふだんから、夏は氷、冬は太ったネコを借りている、ごくごく親しい間柄です。祭りのハッピなンか着ておられたから、見間違えたのです。もっとも、どちらにしても、あまり変わり映えのする方ではありませんが。

 すると、隣家のご主人はキッチンの周りをぐるりと見まわし、「こ、これは失礼しました。間違いました」と平謝りです。

 どうやら、隣にある自分の家と間違えて飛び込んできたようなのです。

 私の家と隣家はともに、同じ業者が建てた建売住宅のためか、玄関のデザインも間取りも、とてもよく似ています。

 私もしばしば、ドアに手を掛けてから間違いに気がつくことがあるほどです。そうしたとき、隣家の美しい奥さまが、「お間違いではありませんか」とやさしく叱ってくださいます。

 私は、隣家のご主人には特に関心はありませんが、奥さまには心を許しています。夏に氷を、冬にネコをお借りするのも、本当は奥さまとお話がしたい一心からです。これは内緒ですが。

 我が家の水道水を盗み飲みしたご主人は、バツが悪そうに、頭に巻いていた手拭いを外し、しょぼんとうな垂れておられます。

 そこで、私は、

「いいえ、間違いはだれでもあります。お飲みになった水道水は、あとで返していただければけっこうです」

 と、お話しました。

 すると、ご主人は、「ナヌッ!?」と呆れたような顔をなさって、「は、はい、必ず」と言ってお帰りになりました。

 私は、何か、いけないことを言ったのでしょうか。

 その3時間後のことです。

 時刻は6時を少し過ぎた頃でしたが、外はもう真っ暗。玄関のチャイム音が鳴ったので出てみますと、隣家の奥さまです!

 私は、自分の狙いが当たって、もう飛びあがらんばかりに昂奮しました。

「どうぞ、中にお入りください」

「いいえ、こちらでけっこうです」

「外では、ご近所から変に思われます。ドアを閉めますので、どうぞ中に」

 こんなやりとりがあって、奥さまは仕方なさそうに、拙宅に入られました。

 といっても、奥さまの体は玄関の土間にあるだけで、上がろうとはなさいません。

 ぶしつけな方ではありませんから、当然でしょうが。私には、実に物足りない。

「きょうは主人がたいへん失礼なことをいたしましたそうで……」

 奥さまは30代前半と聞いています。

 ご主人は私と同じ42才。私の妻子は、実家に帰ってもう1年以上になります。

 奥さまは、ベージュ色のカーディガンを羽織り、草色のタイトスカートを履いておられます。豊かな胸、ヒップから足首にかけてのライン。

 私は、どうしてこのような女性と巡り合えなかったのかと、我が身を呪いました。

「ご主人は、どうしておられるのですか?」

「ごめんなさい。うちの人は、いまご町内のカラオケ太会に出かけておりまして……」

「奥さまは、参加なさらないのですか?」

「わたしは、大勢の方とご一緒するのは、あまり……」

「そうですか。私も同じです!」

 私は、ついうれしくなって、声を張り上げてしまいましたが、奥さまは「はァ?」と戸惑われておられます。

 奥さまは、持参された紙袋の中から、ミネラルウォーター入りのペットボトル2本をお出しになり、

「主人が直接お詫びすべきなのですが、至らない主人の代わりにまいりました。どうぞ、お納めください」

 そうおっしゃって、かわいい頭をお下げになります。

「とんでもない。誤解です。どうして、ペットボトルをお持ちになったのか。私は理解に苦しみます」

「でも、昼間、主人が勝手にこちらにあがりこんで、断りもなく貴重なお水をいただいたと聞いております」

「そうじゃないのです。奥さま、詳しいお話をいたします。汚いところで申し訳ありませんが、どうぞ、おあがりください。そうでないと、また誤解されてしまいます」

「はい……」

 奥さまは観念したようすで会釈をなさり、拙宅の小さな応接間兼居間に入ってくださいました。

 私は、100グラム600円もする、とっておきのコーヒー豆をドリップでたて、私の分と合わせてお出ししました。

 コーヒー豆は、昼間、ご主人がお帰りになった後、近所のスーパーまで慌てて買いに走った代物です。

「すいません。どうぞ、お気遣いなさらないでください」

 私が、魅力的な奥さまと差し向かいになり、あらぬことを想像しかけたとき、

「それで、主人はこちらさまに何をしたのでしょうか……」

「失礼しました。実はこういうことなのです。ご主人は神輿を担がれておられまして、とても汗をかいておられた。いいお天気で、汗ばむ陽気でしたから、あれだけの運動をなさっておられれば当然です。私は、神輿を担いで練り歩く声が聞こえたものですから、窓からその様子を見ていました。すると、担ぎ手の中から、一人の男性が飛びだし、こちらのほうに駆けて来られます。そして、いきなり我が家のドアが開いたと思う間もなく、キッチンで蛇口をひねる音がしました。私は驚いてキッチンに走る。すると、見なれない男性が蛇口に口をつけて、ノドをゴクゴクといわせています。私は、相手も確かめず、思わず拳でその男性をぶった次第です。申し訳ないのは、私のほうです。奥さま」

「いいえ、殴られて当然です。悪いのは主人のほうです」

「ところが、ご主人がお帰りになった後、私はあることに気がつきました」

「あること、ですか?」

「おかしなことがあるのです」

「おかしなこと、とおっしゃいますと……」

「私の家は、昼の間、外に出かける時以外は、ドアにカギはかけません。それで、ご主人も迷わず、我が家に侵入することがお出来になった。奥さまのお宅はいかがですか?」

「私はそのとき、用事があって車で出かけていました。ドアにはしっかりカギをかけて……」

「ご主人は奥さまが外出なさっていることは、ご存知ですね」

「はい……」

「ご在宅のときも、奥さまはドアに内カギをお掛けでしょうか」

「もちろん……」

「ということは、ご主人はこの家に入るためには、ご自分の家とお考えなら、カギのかかったドアのロックを外さなければならないはず。それをどうして、ドアのロックも確かめず、ドアを開けられたのか……」

「さァ……」

「最初から、ドアにはロックがかかっていないことを知っておられた。これは邪推でしょうか?」

「最初から、こちらさまと承知であがりこみ、無断で水を拝借した、ということですか?」

「そうではありません。どうか、お腹立ちのないようにお聞きください。これから先は、全く私の想像ですから」

 奥さまは不安そうな表情を浮かべて、私の顔をご覧になっておられます。

 ここまでの奥さまの反応は、私の描いた筋書き通りです。

「ご主人は、入る家をお隣と間違われたのではないでしょうか」

「お隣?……お隣はこちら……アッ!」

 奥さまの顔色が劇的に変わります。

 さきほどもお話しましたように、私の家と奥さまの家はともに同じ業者による建売住宅ですが、私の家の右隣にもう一軒、同じ建売住宅がございます。つまり、元は大根畑だった空地に、5年前3戸の建売住宅が売り出され、北から奥さまの家、私の家、右隣の家になるのですが、この右隣の方は、この地区一番の美貌と評判のご婦人で、ご主人は遠方に単身赴任中のため、目下寂しいお一人暮らしなのです。

 ご主人が拙宅に飛び込んで来られたとき、

「こ、これは失礼しました。間違えました」

 とおっしゃられたのは、そのとき私はご自分の家と私の家を間違われたのだと思ったのですが、実は右隣の家と間違われたと考えたほうが自然なのです。奥さまも、そう受け取られたのか、深く沈み込まれました。

 私は右隣の奥さまには全く関心がありません。20代後半の肉感的で刺激的な女性であることは事実ですが、性格がよろしくない。お高くとまっていて、男を見下すような視線が、私には我慢ならない。

 しかし、左隣のご主人はそうした彼女の態度が、お気に召したのかもしれません。すると、目の前の奥さまが、苦しそうな表情を浮かべ、

「実はお恥ずかしい話ですが、主人がこの時間、カラオケ太会に参加しているというのは、怪しいのです」

 と、おっしゃいます。

「どうしてですか?」

「主人は歌が歌えないのです。根っからの音痴で……」

「歌がヘタでも、歌うのが好きな方もおられます」

 現に私がそうです、と言いかけたとき、

「私、6時少し前に帰宅したのですが、家に主人のメモがありました。こちらにお水をお返しすることに加えて、『今夜は遅くなる。先に寝ていろ』と」

「よくあることなのですか?」

「きょうのように主人が休みの日で、私が用事があって出かけた日は、主人も午後から出かけ、帰宅は必ずといっていいほど午前様になります」

「いろいろご趣味をお持ちなのでしょう。気になさらないほうがいい」

「それに私、見てしまったのです。帰宅する途中、車の中から、お隣の奥さまが車でお出かけになるところを……」

「……」

「その助手席に、チラッと男性の姿が見えたのですが、慌てて帽子で顔を隠して……」

「その男性がご主人だったとおっしゃるのですか」

「それは、わかりません。でも、そう考えると、いろいろ辻褄が合うのです……」

「奥さんは、疲れておられる。そのペットボトルはいただきますが、もうお帰りになったほうが……」

「はい」

「もう、ご主人がお帰りかもしれません」

「お邪魔しました。つまらないお話をして、申し訳ありません。お忘れになってください」

 しかし、実は私は奥さまに隠している事実がありました。

 ご主人が私の家の水道水を飲んでお帰りになったあと、私は彼の後ろ姿を窓から見ていました。

 すると、彼は私が見ているとも知らず、左右のようすをチラッとうかがったあと、素早く右隣の玄関にお入りになった。ドアのカギも確かめずに。

 そこで私は、町内会の名簿を取り出し、すぐに右隣の家に電話をかけました。「ハイ」という右隣の奥さんの硬いキンキンした声がしたかと思うと「アッ、あなた……待って、いま電話が……」

 私は慌てて受話器を降ろしました。

 隣のご主人が、右隣の家から出て来られてご自分の家に戻られたのは、それから1時間後。辺りが薄暗くなってからです。


 私は、左隣の美しい奥さまが拙宅からお帰りになったあと、考えました。

 これは、何か手違いがあるのではないか。余りにも、ことがありきたり過ぎる。一軒の家を挟んだ妻帯者の男性と、人妻が不倫をするだろうか。両隣の家は、どちらもこどもはいません。離婚に際して、障害になることはあまりありません。

 そんなことを考えていると、車のエンジン音が響き、右隣の家から赤い車が出ていきます。1時間ほど前に、一度戻ってきた車です。

 ドライバーはキンキン声の奥さま。カラオケ太会には行かれてない。そういえば、きょうは第4土曜日。右隣のご主人が、月に1度、赴任先からお帰りになられる日です。そのように、奥さまからお聞きしたことがあります。

「月に一度だけ、土曜の夜遅くに帰ってきます。それで、車で迎えに行かされるのです」

 と。

 奥さまが、空港まで車でお迎えに行かれるところなのでしょう。いつもの光景です。時刻は午後7時半。私がコンビニで買ってきた弁当を食べる時刻でもあります。

 それから30分後。左隣でも動きがありました。

 白い車が出ていきます。運転席にはもちろん、美しい奥さま。私は、前々から予定した行動であるかのように、玄関前に止めてある250ccのバイクにまたがり、奥さまの後を追います。

 私は、自分で何をしているのか、わからなくなりました。美人の奥さまに横恋慕したくて、その機会をうかがっている下司野郎。事情を知らない他人はそう思うでしょう。

 先を行く白い車を見ると、助手席に人影が現れました。それまで座席シートの前に身を屈めていたようです。あれは、だれなのか。

 ご主人がカラオケ太会から戻り、奥さまとお出かけになるところなのか。ありえません。

 私は、あの人影が私だったら、とふと思いました。しかし、それは高望みです。奥さまが夕暮れ拙宅にお来しになったとき、謎めいた言葉の一言も掛けることができなかったのは、私が自分の身のほどをわきまえているからです。

 ハードルが低くなるまで、待つ。絶対に無理はしない。それが私の行動原則です。

 私は、奥さまの白い車の横に並び、助手席の人物の顔を確かめようと考え、スピードをあげました。

 すると、白い車もスピードを上げます。危険です。助手席の人物が、前方を指差し、奥さまに指示しています。

 道は、空港ではなく、北に向かう幹線道路です。車の数は多くなく、流れはスムーズです。

 高速道路が右側に見え、しばらく並行します。そのとき、奥さまの隣にいる人物が、肩のラインから男性とわかりました。

 男性は、左に曲がるように指示を出します。車は、大型店舗が建ち並ぶ通りに入り、停止しました。

 しかし、車からはだれも降りません。すると、前方のゲームセンターの駐車場から、一台の赤い車が猛スピードで飛び出してきました。

 奥さまの白い車が、赤い車の後を追い始めます。もちろん、私も続きます。

 ところが、白い車は、すぐに方向を変え、赤い車から離れます。私は、一瞬迷いましたが、赤い車を尾行することにしました。

 赤い車はそのナンバーから、右隣の奥さまが運転する車だと確認できました。

 赤い車は、スピードをあげたまま、モーテルのケバケバしい広告看板が続く一郭に入りました。

 赤い車が「タイム」という看板があるモーテル前にさしかかったときです。

 そのモーテルの入口をふさぐように、白い車が停止しています。

 白い車の助手席から、男が現れました。右隣の単身赴任中のご主人です。

 彼は、赤い車の運転席に近付き、車から降りるように促します。

 赤い車から、キンキン声の奥さまとスーツ姿の左隣のご主人が現れました。

「いつから、なんだ!」

「もう半年になるかしら」

 昼間神輿を担いでいたご主人が、

「あんたの方こそ、おれの女房とよろしくやっていたンじゃないのか」

「とんでもない。あんたの奥さんは、手も握らせない堅物だ。先月の第4土曜日、一ヶ月ぶりに帰宅する途中、ショッピングモールに寄ったンだが、そのとき家内とあんたがメシを食っているところを見てしまった。一緒にフードコートにいたくらいで疑うのも大人げないと思ったが、時刻は6時過ぎ。いつもなら家内は家で、おれの夜食を作っている時刻だ。あんただって、奥さんの手料理を食べているはず。そう考えると、ただ事とは思えない。おれがいつもより3時間も早い飛行機に乗ったのがいけなかったのだろう。家内を驚かせるつもりが、驚かされることになった」

「それで、後をつけたのか」

「そんな情けないことはしない。そのとき、おまえたちを見ている、もう一人の人物がいた。あんたの奥さんだ。奥さんは、あんたの素行を疑い、尾行していたンだ」

 白い車から、私の憧れる奥さまが降り立ちました。

「この方のおっしゃる通りです。私は恥ずかしいことだけれど、あなた方を怪しみ、その一ヶ月前から、注意していました。一緒にホテルに入るところも見ました」

 キンキン声の奥さまが、

「最低、あんた最低の女ね。だったら、どうして、夫に詰めより、離婚を要求しないの! ただ、黙って我慢していたの!」

 すると、単身赴任のご主人が、

「おまえはもう少し言葉を慎んだほうがいい。おれは、そのとき、奥さんに言った。一ヶ月後に、2人が浮気する現場を一緒に押さえましょう、と。このモーテルはおまえたちの定宿だということは、うちの車の中に落ちていた領収書で知れた。今夜、ここで、2組の夫婦が別れる。奥さん、いいですね」

「オイ、おまえ、本当にいいのか。おれに未練はないのか。あるだろう」

 と、神輿のご主人。

 奥さんはじっと黙っておられます。どう答えていいのか、わからないごようす。

「わたし……、わたし、あなたと別れると行く所がありません。だからといって……」

 神輿のご主人は、悟ったような顔で言います、

「わかった。こうしよう。おれのいまの家に、あんたの奥さんが来る。あんたの家に、おれの女房が行く。これですべて丸く治まる」

「ナニを勝手な。奥さんとおれの間には何もないンだ。そんな2人が、一緒に暮らせるか」

 すると、美しい奥さんが、初めて強い口調で、

「わたし、どちらにも行きたくありません!」

 それまで4人の背後で、成り行きを見守っていた私は、4人の前に駆けていきました。

 ハードルが下がったのです。待ちに待った瞬間です。

 私はヘルメットを脱いで顔を露わにすると、大声で宣言します。

「奥さん、私の家が空いています」

              (了)

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