お題【誰かの冠】、【勇ましい】、【庭園】
わたくしの庭園に入り込んできたのは、幼い騎士であった。同い年くらいの少女の手を引いて、木の棒を一本手にし、まるで迷路のような庭園を歩く。少女を危険から守っているつもりなのだろう。微笑ましいほどに勇ましい。
庭園の奥には花冠。元は誰のものだったか、誰かの冠だ。幼い騎士はそれを大事な宝物のようにそっと持ち上げると、少女の頭に乗せた。
わたくしはただ美しく咲いているだけ。脅かすような無粋はしないわ。
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