【200字小説短編集】小さく灯る

お題【古ぼけた衛星】、【明日なき迷宮】、【眺める】

宇宙というのは明日なき迷宮だ。どこまでも広く、故に彷徨うことになる。

なんて、AIにしては感傷的すぎる言葉だろうか。けれど、期待されなくなって破棄されたも同然の古ぼけた人工衛星にとっては、こうやって言葉をたぐって遊ぶくらいしかやることがないのだ。

地球を眺める仕事は任されたままだけれど、そのデータにはもう誰もアクセスしてこない。

いっそバラバラになって流れ星になって燃え尽きてしまいたい。