【200字小説短編集】小さく灯る

お題【どんどん増える食べ物】、【さまよえるサーカス】、【あたためる】

食べるものもなく死にかけていたところを団長に拾ってもらった。

綱渡りのお姉さんが僕の体を綺麗にしてから、清潔な布で体をあたためるように包んでくれた。

目の前にはどんどん増える食べ物。たくさんお食べ、とピエロのお兄さんが笑う。

夢中で食べて、お腹が痛くなって、優しい声に囲まれて眠った。

きっとこれが幸せなんだと思った。

そうして僕もさまよえるサーカスの一員になったのだ。