お題【小さな護符】、【ほの白い】、【走り出す】
恐怖に走り出す。追いかけてくるのはほの白い影。わかっている、あれは俺の妻だ。
死んだ妻を追いかけて、地の国までやってきた。そこで俺は見てしまった。恐ろしい死者となった妻の姿を。
死者になった妻とはもう話すことも抱きしめあうこともできない。何よりも恐怖から、俺はただ走る。
追いつかれそうな時に、小さな護符を思い出した。それを後ろに投げる。それは目を焼くような陽の光となって、死者を阻んだ。
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