お題【盗まれた牙】、【一族の仇の洞窟】、【歌う】

我々銀狼族は、人間など寄せ付けぬ強さを持っていた。はずだった。

気づけば人間は恐ろしい飛び道具を持って我らを狩るようになった。食うためではない。我らの牙や、毛皮を手に入れるためだ。肉など打ち捨てるらしい。

ある夜、人間たちが巣を作っている洞窟を襲撃した。我らの被害もあったが、幾人もの人間の喉笛を食いちぎってやった。我らは夜空に向けて高らかに歌う。勝利を。

それがいっときの勝利だとしても。

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