【200字小説短編集】小さく灯る

お題【白銀の館】、【産まれたての】、【抱きしめる】

白銀の館には魔女が暮らしている。ひとりきり。

魔女は美しく、聡明で、それゆえに人を寄せ付けない。自らの力が災厄の種になりうることを理解していたから。

そんな魔女がある日、森を散策中に産まれたての赤子を見つけてしまった。力尽きて倒れる母親の腕の中で、まだかろうじて泣き声をあげている赤子。

魔女は赤子を取り上げ抱きしめる。これも何かの運命だろうと、先の波乱を受け入れる覚悟をしたのだった。