お題【かびた言葉】、【一族の仇の樹海】、【裏返す】

その樹海は生きている。木々はうねり、日々姿を変え領土を広げ、全てを呑み込んでゆく。僕の一族も──そう、一族の仇は樹海そのもの。

樹海に踏み入るのは敵の体内に入るも同じ。けれど仇を討つために、僕は進む。

途中で一族の集落の跡を見つけた。残骸になった壁を裏返すと、そこにはかびた言葉が残されていた。誰かが僕に残してくれたもの。

一族は言葉使い──言葉でこの樹海を討つ。決意を胸に僕は進む。

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