妖の一族

@friendperfume

プロローグ

 普段は可憐な天音の鋭い面持ちに、そこにいる誰もが菫色の天音の瞳に吸い込まれる。

 固く閉ざした口を最初に開いたのは月夜家の女当主、月夜天音だった。重い空気を取り払うように、凛とした声を張り上げる。

 

 「これから話すのは、妖と人間のこれからについてだ。」

こうして、時々、妖の当主達と天皇は集まって話している。

 中でも御三家、鬼の一族の月夜家、河童の一族の水月家、天狗の一族の羽月家の影響力は凄まじい。

 

 「人間界では妖による被害が増えています。だけど、妖を見る事ができる人間も減ってきていて、これから、さらに被害が拡大する可能性が高いです。」

と、声を上げたのは天皇の朝日家。


 天皇の一族は人間でありながら、妖を見る事ができる限られた一族だ。そして、妖を祓う力も秘めている。

 その力は妖の頂点に君臨すると言っても過言ではない。御三家と同等の力を持っているとも言われている。


 だから、人間界では天皇が敬われている。


 妖界でも権力は大きい。


 天皇の発言に当主達は、頭を抱えた。

 

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