拝啓、僕を殺した君たちへ〜僕を生まれ変わらせた彼女と共に〜

柊星海

プロローグ 手紙

拝啓 僕を殺した君たちへ


ありがとう


敬具 殺された僕


「できた」


僕はこの文章を書き終えるとそっと息をつく。疲れるほどの文量ではない。が、僕にとっては長文を書くのとさほど大差ない。


「あ、できたの〜?」


そう明るい声をかけてきたのは、今絶賛同棲中の彼女である未月だ。名字は中野というらしい。


「うん、できたよ」

「見せて〜!」


そう言われて僕がさっきまで書いていたものを差し出すと、それを読み始めてすぐ笑い出した。いや、あんな短いから読み終わったか。


「海斗、あんなに悩んでたのに結局書いたのこれだけ?笑」

「笑うな笑うな、これでも結構頑張ったんだけどな〜?」


ちなみに、未月は僕に昔起こったことを全て知っている。だから、これがどういうものなのかわかるはずなのにな。


「ごめんごめん、さすがにこれがどういうものかはわかってるから、そんな顔しないで?ね?」


どうやら相当いやそうな顔をしていたらしい。まあ、確かに笑われたのはいやだけれども?


「別にそこまで起こってないから」

「ほんとに?」

「ほんと」


そう俺が答えると未月はあからさまにホッとした様子を見せた。


「でもごめんね?カイトの過去を笑ってるようなものだったよね?」

「別にそこから救ってくれたのは未月なんだから、未月なら別に大丈夫」

「そっか」


おそらくこの会話を聞いても俺たち以外には何も伝わらないと思う。それほど前のことだ。それは、未月に出会う遥か前から始まっていたんだ。







新作です!

えー、最近はこれをどうするか考えながら忙しい学校生活送ってたらこんなに他の作品やってませんでしたwこの作品に来た人も前作から読んでくれてる人もぜひ読んでくれると嬉しいです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る