第5話

「どうだい、気分は?」

手術室で上総がリアにたずねた。

リアは手術台の上で口を

半開きにして薄目を開けている。

「先生、わたし治ったの?」

リアが不安そうに口を開いた。

「ああ、治ったよ。手術は大成功だ。

もうリアちゃんは自由なんだよ」

上総が上機嫌でリアの耳もとで

囁いた。

「うれしい」

「リアちやん、このクルミを

指で握り潰してごらん」

上総がクルミをひとつリアに手渡した。

「えっ、そんなことできるわけが」

「いいから、やってごらん」

リアが恐る恐るクルミを指で握った。

カリンッ!

クルミがいともたやすく割れて

しまった。

「先生、これは」

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