第4話

「なんのために、リアちゃんを

200億円も使ってサイボーグに改造したりするんですか」

田所が休憩室で上総に聴いてきた。

「末期がんの根本治療のためだ」

上総が腕組みしながらブラインド越しに

窓の外を見た。

「でも、そんなことされちゃあ、効かない

抗がん剤を売っている製薬会社連中

が黙って、あっ」

「そう、だから、あの銃弾はわたしを狙ったともいえるし

研究材料第一号のリアを狙ったともいえるんじゃないかな」

「なるほど」

「ともかく、一刻も早くリアの改造を

行いたい」

「どうしてですか」

「改造できるのは世界中でわたしだけだからよ」

上総が田所の肩をポンポンと叩いた。

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