【詩】白い景色


君の右手を

握ると

少し冷たかった

まだ冬の季節

僕たちの三度目の冬は

少し寒くなるという

変わっていく町を

遠くから見ていた


雪が降り始めた

粉雪はふわふわと

地上に重なり合い

白く積もっていく


約束の場所は

あと少し

君の見たい景色は

目前に


町の高台に着く

一望できる白い景色は

大きく広がっていた


右ポケットから指輪を

取り出す

君の指に入れると

喜んで笑う

少し冷たい

君の手を

僕は両手で包む


僕たちの三度目の冬は

少し寒くなるという

町は変わっていく

人も

景色も

変わらないものは

ないけれど

その度に

何か

記憶に残せたら って


僕たちはまだ

この場所で白い景色を

見つめていた



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