第一章 座敷わらし 18 和歌子

 そのまぶしさに目を閉じたところで、我に返る。

――あっ、瑞夏さんにもうすぐ、不幸が降りかかろうとしてる!?

 松野の身にこれから起こることを察知して、結人たちに意識を集中させる。

 そして、両手の人差し指と親指を合わせて、四本の指でカメラのかたちを作った。

 それから瑞夏の姿をその中に収めて、空中に現れた一枚の写真をキャッチする。

 手のひらに収まったその写真を見て、胸を撫で下ろす。

 よかった、成功した。

――さぁ、結人さんに干渉しなくちゃ。せっかくの青春模様に水を差して悪いけど、もうこのタイミングしか……。

 ええい、じれったいです。瑞夏さんのほうが何か言おうとしてるけど、止めるなら今です。

 おふたりには悪いですけど、今まさに瑞夏さんに不幸が降りかかろうとしているところなんです!そして、わたしも結人さんに用事が――。

 だから、お邪魔させてくださいっ!

 和歌子は心を鬼にして彼らの間に割り入り、結人に抱きついた。


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