第20話 森の砂漠のオアシス

「うっわー。砂漠だねー。」

「あ゛っついぃ」

「ユキグモ温調かけてあげようか?」

「「是非お願い!!」」


ツバサヘビ神の本気度が分かります。ガチ囲う気だ!

あっくんは…?


砂漠トビトカゲは感動している!

トビトカゲは両手をバッと上げた!

トビトカゲは飛行膜をはためかせて踊り出した!


産毛ウロコが陽光をキラキラと反射して美しい!

ツバサヘビに9999のクリティカルヒット!

ツバサヘビのライフはもうゼロよ!


『美しすぎる…。生命力が湧き上がる泉のようだ。世界よありがとう…。』

うわ、人で言うところの鼻血が出そうな顔してる。

もうガチ目惚れですね。神話生物がしていい顔じゃないぞ。


トビトカゲは目を細めて首を傾げた!

感謝の念が伝わってくる!

ツバサヘビは撃沈した!


「これもう心配ないんじゃないかな」

「うん、完全に落ちたね。」

なんやかんやあったけど、お付き合いのOKが出たようです。


「ところでさ、これ夜はどうなんの?」

『砂漠の夜ですから冷え込みさせますよ』

「時間切り替え式?」

『ええ、そんな感じです』


「今どきは大抵、外部連動式。こんなやつ」

『え、そうなんですか。確かにこれは便利ですね。』

「固定魔法もこんなのあるよ」

『へえぇ、自己復元力で戻るのを使うのか。面白いですね。』

「ユキグモ障壁を応用して一部だけ連動切ったらさ、あんなことも…」

『天才か』


何だか魔法トークしてる。

「ユキグモ魔法ってそんなことしてるんだ。」

「うん、この領域魔法って見たことなくてすごいけど、ところどころ使い勝手が古い所あるからさ。どうせなら最新式の自動入れれば便利かなーと思って。」

「保護者してるねぇ」

「アレクサ俺の眷属だから!」


『愛しい人…僕にもその麗しの名前を呼ぶことを許して…いやいや、まだ慎重に行かないと…』

「みーちゃんの教育が大分効いてるね」

「よっぽどしばかれたな。女の子は怒らせちゃダメだ。怖い。」

「なんか呼んだ?」

「いやいや、乙女心は難しいねって話」

「そうそう、猫から見てどんな部屋にすれば嬉しいかなって話」

「本当?誤魔化してない?」


そんなこんなで、森の湖の畔にあっくんの砂漠ができました。

乙女に嬉しい除湿加湿の切り替え付き。湖の水を降らせることが可能です。

…その機能ホントに必要かな?


あっくんは塔でご飯食べたり、森を散策したり、湖で水遊びして砂漠でウロコ干ししたりと、楽しそうにしています。

ご飯はゆきちゃんに胃袋を掴まれているので、ツバサヘビには頑張ってもらわないと。ユキグモ料理は魔力で調理するけど、あっくんはそんなに魔力ないからね。


ここから先は愛情と甲斐性の物語。

独り立ちは寂しいけれど、二人の幸せに幸あれ。


第二章 完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る