第12話 共闘
「今度はこれにするか」
ハジメが取り出したのは、メカアクションゲーム。
三人でプレイすることはできない。そのため、ハジメは口を出すことにする。男が簡単に説明を終えると、少女たちは理解したようだ。
「わかりました」
「足を引っ張らないでよ」
ハジメは頭を抱えていた。
イスに座るハジメと、同じベッドに隣りどうしで座る
ゲームスタート。協力して大型の敵メカを倒すモードで、2体の人型メカがそれに迫っている。敵は、大きなカニのような見た目をしていた。ただし、足は4本しかない。
「そいつの弱点、わからないか?」
「え? ヒントですか? ください」
「待ちなさい。いま、探っているわ」
ヒントが欲しい
「協力しないと勝てないぞ」
ハジメは、のんきに眺めるだけ。
「攻撃が効かない」
「下よ。下から狙って!」
マツが弱点を見つけた。おなかの部分に、あからさまに弱点とわかる突起がいくつもある。
「命令しないで!」
口ではそう言いながら、
「やるじゃん」
ハジメがぼそりとつぶやいた。
下の弱点を攻撃する二人。敵メカの体力をかなり削った。だが、操作する人型メカも結構なダメージを受けていた。余裕はない。
「まだ、倒れないの」
「ちょっと、このあとどうするんですか」
慌てる二人。下にあった弱点がなくなってしまった。
「……」
ハジメは何も言わない。あきらめているわけではなかった。かといって、信じているわけでもない。別の思惑があった。
「はっ。
「だから、命令しないで!」
気づいたマツに従う形で、
そして、二人はカニのような敵メカを撃破した。
これで二人の仲もよくなるはず。ハジメはそう思っていた。
「アタシのおかげね」
「あのカニを倒したのは、わたしですぅ」
「ダメだこりゃ」
ハジメは、さじを投げた。
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