芯覚者-神と呼ばれた男-

カンタ

プロローグ 

4歳の小さな男の子がいじめられていた。

 その男の子には、いじめられるようなことをした覚えはなかった。

  男の子をいじめていたのは、小学校2〜3年生くらいの少年5人だった。

 何故、いじめるのか聞いたところ理由はストレス発散だそうだ。

 (学校でどういう扱いを受けているのか知らないが、そんな事の為に自分の体は毎回ボロボロいされなければいけないのかと男の子は思った。)

  無論、周囲はいじめっ子たちに注意や懲罰を科す等していじめを辞めさせようしたが、一切効果はなかった。


 しかし、ある日を堺に男の子はいじめられることはなくなった。

 その日もいじめっ子たちは、主犯のガキ大将を中心に男の子をいじめていた。

 (主犯のガキ大将は、男の子が信頼していた兄貴分だった。)

 いじめっ子たちは、男の子に暴行を加えていた。たまに、暴行をやめると確認を取るように

「やめて欲しいか?」と問いかけ、

 返答または、反抗的な意思を見せると暴行を再会するしかも、それは大人の目の届かない所で行われていた。

 この時点で普段以上の傷を男の子は負っていたのだが、いじめっ子たちはさらにエスカレートし、いじめっ子たち5人全員が男の子意識が消えかけるまで、痛めつけ次ということをしていた。

 (今、思い返しても陰湿だと思う。)


 (ここで男の子の意識は消える…)

そして、ガキ大将の取り巻きの1人がどういう経緯で手に入れたのか知らないが、携帯を取り出し、意識のないボロボロの状態で倒れ伏している男の子の姿を写真に撮り、ガキ大将や他の取り巻きに見せて笑っていた。

 男の子が起き上がると、ガキ大将らいじめっ子は起き上がった男の子を見て「まだやれそうだな」とぼそりと呟くと男の子に向かって殴りかかったが、次の瞬間逆に殴り飛ばされていた。

 ガキ大将たちは、何が起きたのかわからなかったが、傍観していた仲間7人を加えた12人で一斉に襲いかかったが、男の子の姿をした何かに顔の原型が分からなくなるほどボロボロにされた。特に、主犯のガキ大将は顔のみではなく身体全体も含め全治4ヶ月以上という大怪我を負った。

 (後日、友人に聞いた話である。)


男の子は意識を取り戻し、周りを見回すと、

ボロボロになったいじめっ子たちの姿を見て

声が出ない程に驚いた。

 特に悲惨だったのが、主に自分をゆっくりいじめに来ていたガキ大将が顔を含め全身がボロボロで思わず吐き気が出そうになる程に強烈な姿になっていたが、何かスッキリしている自分がいることにも同じように驚いた。

 

 そして、意識を取り戻したガキ大将は男の子の顔を見て恐怖にひきつった顔をして動かなくなってしまった。

 いじめっ子たちは、動かなくなったガキ大将を連れて去って行った。


 後日、小学生までの子供たちの間で

「化物を見た!」という噂が広がった。

 噂の元を辿ると自分をいじめていたいじめっ子たちだった。いじめっ子たちは男の子の顔を見るなり走って去って行った。


いじめられていた小さな男の子が、この作品の主役照(しょう)の幼少期である。

 

 

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