第16話 生還
俺が、ギルドに戻ると皆んな驚いている様子だった。
「リーダー……生きていたのか!?」
「てっきり、死んだかと思ったよ!」
「お前らな! マジで! ふざけんなよ!!!
あれだけダンジョンは危険な場所だと、いつも言っていただろ!!!」
「いや……無事で、何よりですよリーダー!」
「お前らに、文句を言うまでは死ねないと思い! 地獄の底から戻って来たんだ!!!」
「何それ! ウザ〜!!!」
「なんか、その言い方は酷いよね。」
「「私達も、そう思います。」」
「ローズちゃん、ピンクちゃん、サポーターちゃん達……リーダー! 今の言い方は、無いと思うんだ!!!」
「俺もそう思う!!!」
「俺もだ!」「俺も!」「俺もだ!」「僕も……」
「俺達も悪いとは、思ってるけど……今のは無いなリーダー!」「確かに、ないな!」
「お前ら、ふざけんな!
俺は、死ぬ所だったんだぞ!!!
今後は、こう言った事が起こらない様に厳しく行かしてもらう。
全て、お前達の為だ! 悪く思うな!!!」
「なら、私! このパーティー抜けるわ。」
「えっ!? ローズちゃんにパーティー抜けるの? なら、俺も……」
「俺も」「俺も」「俺も」「俺も……」
「私も……そう言うの嫌なので、パーティー抜けますね。」
「ピンクちゃんも……なら、俺も抜ける!!!」
「俺も」「俺も」「オラも」「僕もです!」
「サポーターちゃん達は、どうするんだ!?」
「「私達は……皆んなが抜けるなら抜けます。」」
「おいおい! 待ってくれ。
それだと、リーダー1人になってしまうだろ!」
「いいんじゃない。
何でも1人で、出来る人だし!」
「そうだな!
リーダーなら、1人でも大丈夫だ!!!」
「……くそッ……お前ら、本気で言ってんのか!?
だったら、俺が! このパーティーから抜けた方が早いだろ!!!」
「確かに、そうね。
リーダー! 悪いけどパーティーを抜けて!」
「いや、皆んな待ってください!
このパーティーの要は、間違いなくリーダーですよ!
リーダーが居ないパーティーなんて、上手く機能するはずがない!」
「なら、あんたはリーダーについて行けば良いじゃない!」
「いや! 2人きりは、ちょっと……」
「いや、いい……マルクス!
俺が抜ければ、問題は解決する。
俺は、もうホトホト愛想が尽きた!!!
とりあえず、皆んなで装備を買う為に貯めていた! お金を人数で割って渡してくれ。」
「あっ! いや、それなんですが……
ほとんど、ありません。」
「はぁ!? 何故?」
「何故って……あなたが悪いんですよ!!!
何なんですか!?
このパーティーの男女比率は!!!
魔法使いの女性1人に、ヒーラーの女性1人、それに治療補助としてのサポーターの女性2名!
あとは、男男男男男男男男男男男男男男だらけ……こんなんだから、たいして顔も良くない女性陣が勘違いをして、男達を取っ替え引っ替えするんですよ!!!」
「何で、それで? お金が無くなるんだ!?」
「男達ですよ! 女性陣にプレゼントを渡す為に、前借りに前借りを重ねて!
しかも、お金を渡さないなら女性を殺して自分も死ぬとか言うんですよ!
渡すしかないじゃないですか!!!」
「……それは、すまない。
俺の落ち度だ! でも、戦闘には男の数が多い方が有利だし……女性がいた方が男性陣のヤル気も上がるって言ったのは、お前じゃないか!」
「それは、そうですよ!
でも、限度があります!!!」
「でッ! 今、残ってる所持金はいくらなんだ?」
「銀貨一枚です。」
「銀貨1枚……
あんなに、あった金貨が銀貨1枚……
なら、どうやって!
今まで皆んなの食事とか賄っていたんだ。」
「それは、リーダーの信用を利用して……」
「俺の信用……?」
「はい。
貴方が真面目なのは、この街の皆んなが知っていますから……貴方のツケで、賄っていました。」
「そのツケは、どのくらい溜まってるんだ?」
「これくらいです……」
「これくらいって、お前……」
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