第12話 笑い

それから数日後……


僕はラットに、ある相談をした。


ラットは、今日もモニタールームでダンジョンの管理を行っていた。


「ギャハハハハハハハハッ!!! イィ〜ヒヒヒヒヒヒ〜〜〜!!! ゔぇッ……ゴボッゴボッゴボッ……」


「大丈夫? ラット……」


ラットは、涙目になりながらルーム内を転げ回っていた。


「見てみろよ! ラク!!!

コイツら……ギャハハハハハハハハッ!!!

おもれーーーー!!!」


「何があったの!? 冒険者達は皆んな倒れているけど……」


「実はな……なかなかの手だれで、どんどんダンジョンを進んでいくから。

足止めに、対して強くは無いけど!

めちゃくちゃ臭い魔物を召喚してやったら、あまりの臭さに皆んな悶え苦しんでゲロを吐き散らしやがったんだ!

そした、周りにいた奴らまで感染が広がって

パンデミックって訳よ!」


「相変わらず楽しそうだね。

ラット……ダンジョンが広がってからは、毎日ゲームもやらずに、頑張ってるね。」


「まぁな……元々ダンジョンボスは、これが目的みたいな所もあるからな。

それに、誰かがやらないと……このダンジョン攻略されたら困るからな!」


「確かに、そうだね。」


「で、ラク……オレになんか用があったんちゃうか?」


「そうそう。ラットに相談があったんだ!」


「何だ!? 大事な事か?」


「実は……僕達には、メイドが必要だと思うんだ!」


「……メイド」


「うん。メイド……」


「ええやん! ええやん!!!

オレもメイド! めっちゃ欲しい!!!」


「でもさー……一つ問題があって!

ここってダンジョンじゃん! 普通にメイド雇おうと思っても誰も来てくれないと思うんだよね。」


「……確かに、そうだな。」


「それでさー……人形のモンスターをメイドに出来ないかな?」


「モンスターをメイドかぁ〜……多少賢いモンスターを生み出す事は、可能だけど……

お前が思ってる程のメイドになるかは分からないぞ!」


「良いよ! 良いよ!

朝起こしてくれたり! コーヒーを入れてくれるくらいの仕事が出来れば良いから。」


「まぁ、そのくらいなら可能かな!

じゃー早速、作成してみるか!?

どんなモンスターにするんだ?」


「人間味があって、女性型のモンスターが良いな!」


「それなら、コイツか……コイツだな!

とりあえず……2体で、賢さを出来るだけ上げておこう!」


「うわー! 楽しみだなぁ〜」



『メイドモンスターの作成……』



『鳥型のモンスター! ハーピーと……

蜘蛛型のモンスター! アラクネを作成……』



「おおー! 出来た! 出来た!!!」


「なんか……凄くエロいね。」


「まぁ、そう言うのも大事だろ。

男性読者の為にも!」


「°%×〆…○×3^」×|<」€々÷|〒:6」

「々2」=々」||「・÷々々」々2|||々^々6」


「何か話してるみたいだけど……全然、分からないや。」


「初めは、こんなもんだろ!

少しずつ言葉は覚えて行くと思うぞ……多分。」


「気長に待つ事にするよ。

これから、よろしくね! 2人とも……」


「々÷6々9|×+」×9||8」÷|」

「」÷-|*÷|々×=々」々|=々*々」


「分からないけど……

とりあえず、オッケー!」



それから僕は、2人のモンスターに

名前を付けた。


ハーピーの方は【ハッピー】と付けて

アラクネの方は【ラッキー】と付けた。


2人とも喜んでくれてるみたいだった。

言葉は分からないけど……


そして、2人に言葉を教え始めると……

意外にも数週間で、カタコトで話せるようになった。


「おはよう。ハッピー! ラッキー!」


「オハヤオゴジャイマス!」

「チガウヨ! オハヨウゴジヤイマスダョ!」


「おはようございます! だね。」


「なかなか様に、なって来たんじゃねーのか。

ハッピー! コーヒーを頼む。」


「YESボス!」


「そこだけは、流暢なんだね。

あっ! 僕にもコーヒーお願い!」


「マスターニハ、ワタチガ……」


「じゃーお願いするよ。ラッキー」


「カシコマリー!」


そんな日々が続き……



「ねぇー! ラット、今日は外に出掛けようよ。」


「何すんだ?」


「実は、今日! 街でお祭りをやってるみたいなんだよ! だから、一緒に行こうよ!」


「でもなぁ〜……ダンジョンの管理もあるからなぁ。」


「ボス! ダンジョンの事は、私たちに任せてくだしゃい。」


「初めて、ではないので大丈夫だと思われます。」


「そうか!

今日は、お祭りで冒険者の数も少なそうだし……そうたな!!!

なら、行ってくるかー!!!」


「ラット……りんご飴、有るかな!?

あったら、食べようよ!」


「良いね〜!!! お前達にも、お土産買って来るからな。」


「「嬉しい! ありがとうごじゃいます。」」


「それじゃー! 留守番よろしくね。」


「あと、人間は殺さない様に気をつけろよ!

エネルギーを吸収するのに必要不可欠だからな。」


「分かったでごじゃる。」


「よしッ! 行こう。

いざ祭りへ!!!」


「「りんご飴! りんご飴! りんご飴! りんご飴、りんご飴………………」」

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