第11話 変化
「……なんか? 変な音しない!?」
「音……」
「聞こえる……」
「なんか揺れてないか?」
「なになに……地震?」
「崩れたら私達、生き埋めになるわよね!」
「ヤバい! 逃げろーーー!!!」
「逃げられないわよ!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴオォォォォ!!!!
「うわぁぁあーーー!!!」
「きやゃぁぁぁーーー!!!」
*
*
*
「ラット、大賢者! ダンジョンはどのくらい広がったの?」
『ただいま5階層まで広がったのを確認しました。』
「5階層か……
そのくらい、あの人数ならすぐに到達するぞ!」
「何か足止めする方法は無い?」
「冒険者にモンスターを当てるんや!」
「ラット! お願い……」
「今すぐに作成出来るのは、スケルトンだけやな……
火力的には頼りないが、居ないよりはマシやな!
とりあえず、モンスターの方はオレに任せ!」
「助かる! 大賢者さん……」
『ただいま冒険者達が2階層に進出したので、3階層を迷路へと変化、改造します!』
「お願い!!!
そしたら、僕は外に出て4階層を錬金術で塞いで来る!」
そして、各々出来る事を必死に行った!
*
「大賢者! 迷路が突破された!!!」
『もっと、多くのモンスターを作成して下さい!』
「ヤバい! 4階層の壁を壊そうとしてるぞ!!!」
『追加で階層を増やします!』
「宝箱に財宝を入れて送れば、少し足止めになるかな???」
「分からんが……出来る事は、やってみー!」
「分かった!」
*
「今、何階層まで増えた!?」
『ただいま8階層まで……もうすぐ9階層が構築されます!』
「ヤバい! こんなに忙しくなるとは、思っていなかった……。」
「泣き言、言ってる暇があるなら手を動かせ!!!」
「ごめんなさい……」
『ダンジョンが10階層になりました。』
「こっちも強いモンスターを作成出来るようになったでー!!!」
「これなら、何とかなるかな!?」
「何とかするんや!」
「はい! ネズミ先輩!!!」
「ネズミ先生や!」
*
*
*
『ダンジョンが30階層になりました。』
「ここまで来れば……」
「そうやな……ダンジョン自体も、かなり複雑になったから。」
「大丈夫だよね……」
『アイテムを大量に放出した効果もあり……
冒険者達が引き返して行きます!』
「何とかなったみたいやな……」
「一時は、どうなるかと思ったけど……
何とかなって、よかったね。
とりあえず、休憩しよう!」
『まだです!』
「まだやな!」
「何が?」
「今のうちに、ダンジョンの階層と作成モンスターを増やしとくんや!」
『備えあれば憂いなしです!』
それから僕達は、不眠不休でダンジョンの改装を行った……
*
*
*
「ラット……ダンジョンはどう?」
「今は、50階層を超えたから!
もう冒険者は、ここまでは簡単には来れないと思うぞ。」
「それなら、良かった。」
「それより! ラク、これ見てや!」
そう言われて、モニターを覗き込んで見ると……
沢山の冒険者達がダンジョン内でモンスターと戦闘をしている姿が見てとれた。
「何か、面白い人達でも居るの?」
「コイツら……めっちゃオモロいんやで!」
そこには、男女複数人のパーティーが映し出されていた。
「何が、そんなに面白いの?」
「コイツら、ダンジョンをデートスポットと
でも思っているのか!
めっちゃくちゃイチャ付きながらダンジョン探索しとるんや!
あいのりか何かと勘違いしてるんちゃうかな!」
「そう言う事は、ピンクのバスの中だけにして欲しいよね。
でも、良く無事だね……!?」
「ああ……コイツらのリーダーが、めっちゃ頑張ってるからな!
コイツが居なかったら、とっくに全滅しとるだろうな。」
「それは、それは……苦労してるだろうな!
そう言う人を見ると応援したくなるよね。」
「なら、近くに宝箱でも送ってやるか!?」
「それ良いね。
送ろう! 送ろう!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます