第11話 変化

「……なんか? 変な音しない!?」


「音……」


「聞こえる……」


「なんか揺れてないか?」


「なになに……地震?」


「崩れたら私達、生き埋めになるわよね!」


「ヤバい! 逃げろーーー!!!」


「逃げられないわよ!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴオォォォォ!!!!


「うわぁぁあーーー!!!」

「きやゃぁぁぁーーー!!!」



「ラット、大賢者! ダンジョンはどのくらい広がったの?」


『ただいま5階層まで広がったのを確認しました。』


「5階層か……

そのくらい、あの人数ならすぐに到達するぞ!」


「何か足止めする方法は無い?」


「冒険者にモンスターを当てるんや!」


「ラット! お願い……」


「今すぐに作成出来るのは、スケルトンだけやな……

火力的には頼りないが、居ないよりはマシやな!

とりあえず、モンスターの方はオレに任せ!」


「助かる! 大賢者さん……」


『ただいま冒険者達が2階層に進出したので、3階層を迷路へと変化、改造します!』


「お願い!!!

そしたら、僕は外に出て4階層を錬金術で塞いで来る!」


そして、各々出来る事を必死に行った!



「大賢者! 迷路が突破された!!!」


『もっと、多くのモンスターを作成して下さい!』


「ヤバい! 4階層の壁を壊そうとしてるぞ!!!」


『追加で階層を増やします!』


「宝箱に財宝を入れて送れば、少し足止めになるかな???」


「分からんが……出来る事は、やってみー!」


「分かった!」



「今、何階層まで増えた!?」


『ただいま8階層まで……もうすぐ9階層が構築されます!』


「ヤバい! こんなに忙しくなるとは、思っていなかった……。」


「泣き言、言ってる暇があるなら手を動かせ!!!」


「ごめんなさい……」


『ダンジョンが10階層になりました。』


「こっちも強いモンスターを作成出来るようになったでー!!!」


「これなら、何とかなるかな!?」


「何とかするんや!」


「はい! ネズミ先輩!!!」


「ネズミ先生や!」



『ダンジョンが30階層になりました。』


「ここまで来れば……」


「そうやな……ダンジョン自体も、かなり複雑になったから。」


「大丈夫だよね……」


『アイテムを大量に放出した効果もあり……

冒険者達が引き返して行きます!』


「何とかなったみたいやな……」


「一時は、どうなるかと思ったけど……

何とかなって、よかったね。

とりあえず、休憩しよう!」


『まだです!』


「まだやな!」


「何が?」


「今のうちに、ダンジョンの階層と作成モンスターを増やしとくんや!」


『備えあれば憂いなしです!』


それから僕達は、不眠不休でダンジョンの改装を行った……



「ラット……ダンジョンはどう?」


「今は、50階層を超えたから!

もう冒険者は、ここまでは簡単には来れないと思うぞ。」


「それなら、良かった。」


「それより! ラク、これ見てや!」


そう言われて、モニターを覗き込んで見ると……

沢山の冒険者達がダンジョン内でモンスターと戦闘をしている姿が見てとれた。


「何か、面白い人達でも居るの?」


「コイツら……めっちゃオモロいんやで!」


そこには、男女複数人のパーティーが映し出されていた。


「何が、そんなに面白いの?」


「コイツら、ダンジョンをデートスポットと

でも思っているのか!

めっちゃくちゃイチャ付きながらダンジョン探索しとるんや!

あいのりか何かと勘違いしてるんちゃうかな!」


「そう言う事は、ピンクのバスの中だけにして欲しいよね。

でも、良く無事だね……!?」


「ああ……コイツらのリーダーが、めっちゃ頑張ってるからな!

コイツが居なかったら、とっくに全滅しとるだろうな。」


「それは、それは……苦労してるだろうな!

そう言う人を見ると応援したくなるよね。」


「なら、近くに宝箱でも送ってやるか!?」


「それ良いね。

送ろう! 送ろう!!!」

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