第3話 死ぬ思い。

『スリープモードに移行します!』



それから、どのくらいの時間がだっのだろう……


僕の体は、動ける様になっていた。


「ふぅ〜……生まれ変わった異世界生活。

本当に、もう終わったかと思った!

せっかく転生したんだ……もっと楽しみたいな! 

この世界を……その為には、死なない体が欲しいな。

不老不死とか、全人類の夢だよな。」


『魔力量が足りません。

食事を取り魔力を回復する事をお勧めします!』


……えっ!? 出来るの? 不老不死!!!


それが手に入れば、今後の心配が一気に解消される。

是非とも手に入れよう!!!


そして、僕は洞窟内で食べ物を探した。


「……これは、ネズミの巣。」


まだ、目も開いていない子ネズミ達が巣に固まっていた。


しかし、子ネズミと言っても大きさはかなりのものだった。


『食べる事を推奨します!』


「いや……ネズミは……病気とかになりそうだし……」


『産まれたばかりの個体は、毒や菌の保有が少ない為、加熱処理すれば問題ありません!』


「いや……火がないし。」


『炎魔法を習得しました。』


「いや、ちょ……勝手に!!!」


『食べる事を推奨します!』


「マジで……」


僕は、覚悟を決めると!

子ネズミ達を入念に焼いて、食べた。


「…………なんか、ごめん……うまい。」


『食事を取り魔力量が規定の量に達しました。

不老不死を習得すますか?』


「その為に、食べなくても良い子ネズミ達を食べたんだ!

もちろん習得します!!!」


「不老不死を習得しました。」


「よしッ! これで、死ぬ事は無くなった。

異世界……らくし……ょ……ぅ……」


また、スリープモードになった。



その後、僕は桁魂叫び声で目を覚ました!


「何事!?」


『子ネズミ達の親が巣に戻ってきました。』


「それって、マズイよね。

めちゃくちゃ怒ってるよね……!!!」


ギギャヤャャャーーー!!!


「ちょっ……待って! 話を……」


僕は喉元を切り裂かれ! 意識を失った……。



次に目を覚ました時には、そこに子ネズミ達の親の姿は無かった。


「ガッハ……!!! げほッ……ゲホ……ゲホッゲホッ…………死んだ。俺、死んだーーー!!!」


『生きています。

しかも、言葉が変です!』


「いや、死んだから! マジで! 死んだから……もう、嫌! 死ぬのも痛いのも良い子でいるのも!!!」


『はあ……』


「また、戻ってくるかもしれない。

急いで、この場から離れる!!!」


そうして、僕は洞窟の奥へと進んだ!



『マスター……何故!? 

僕から俺に変えたのですか?』


「変えたわけでは無いけど……死んでテンパった。

それだけじゃ無いけど……

せっかく転生したんだ、僕も変わろうと思ったのかも知れない。」



『そうでしたか……承知しました。』


「…………。」



それから少し進むと……

目の前に壁が現れた!


「行き止まり?」


『この奥に空間があるようです!』


そして、壁を入念に調べてみると……

すっごく小さな扉があった。


「これは?」


『扉です!』


「それは分かってる。

この大きさでは、中に入れないから赤ちゃん姿に戻って中に入って見るね……」


小さな扉を開き赤ん坊がギリギリ通れる通路を進むと……中には、大きな空間が広がっていた。


「結構広いねー。」


すると、声が聞こえてきた!


「貴様、何者だ!!! このダンジョンを荒らすものか!!!」


「ダンジョン……!?

ここって、ダンジョンだったの?」


『その様です!』


「ダンジョンって、何で言うか……死の迷宮みたいなイメージがあったけど、ここは普通の洞窟みたいだったね。

それが普通なの?」


『いえ、本来ダンジョンとは

死の迷宮と言う認識で間違いではありません!

ここは、少し特殊なダンジョンなのだと思われます。』


「ああ……そう言うことね。」


「貴様! 誰と話しているのだ!!!」


「これは、すいませんでした。

ローブのお爺さん……?」


「我は、ローブのお爺さんでは無い!!!

このダンジョンのボス! スケルトンキング様だ!!!

小ざかしい人間のガキよ! 血祭りてくれるわ!!!」


「……どうしたら良いの!? 大賢者さん!

向かってくるよ!!!」


『炎魔法を連発する事をお勧めします。』


大賢者に言われた通りに炎魔法を連発すると!


「グハァぁぁ〜ーー! 

我を倒すとは、人間よ……見事なり…………」


バタッ…………


「これで、倒したの?」


『その様です。』


「この後は、どうするの?」


『ダンジョンコアを手にすれば、このダンジョンは機能停止します!』


「そしたら、このダンジョン壊れちゃうの?

それは、なんか嫌だな……」


『でしたら、このダンジョンを管理されては如何ですか!?』


「管理……どうしたら良いの?」


『ダンジョンコアに触れて下さい。』


『ダンジョンにアクセスします!』


『ダンジョンの制御に成功しました。』


『ダンジョンの説明、サポート役として先程のダンジョンボスを再生します! 姿形をイメージして下さい。』


僕は、イメージした。


そして、目の前にダンジョンボスが生成されていく……



『ダンジョンボスの再生に成功!

名前を与えて下さい。』


「名前か……何にしようかな!?」


「何を言ってるんだワレ!!!

オレには、スケルトンキングって立派な名前があるんじゃい!!!」


「あ…………ごめんなさい。」


「分かれば、良いわ!!!」


「いや、そうじゃなくて……」


実は、再生したダンジョンボスの姿はスケルトンではなく……中型犬サイズの白ネズミとなってしまった。

それは、姿をイメージした際に何故か……

大ネズミ達を思い出してしまったのだ。


すると、再生されたダンジョンボスは白ネズミの姿になってしまった。


「何じゃーコレー!!!

オレは、いつからネズミになったんじゃー!」


「ごめんね。

でも、ネズミだから名前は【ラット】ね。」


「いや、待て待て……安直すぎるだろ!!!

もう少しひねれや!!!

オレは姿はネズミでも、中身はダンジョンボスやーーー!!!」


「なら、上のネズミって意味で! 

【ハイラット】で、通称は【ラット】ね。

よろしくラット!」


『ダンジョンボスに【ハイラット】の名前が刻まれました。』


「オラーーー!!! そんない変わってへんやろ!!!

勝手に決めやがってーーー!!!

誰がハイラットのラット様やーーー!!!」


「テンション高いね。

これから、よろしくね!」


「もうええわ……

ほんなら! お前の名前も教えろやー!!!」


「……そう言えば、僕! 名前無かったんだ。

どうしよう……。」


「ほんなら、オレ様が決めてやる!

何か希望はあるか!? オレは勝手には決めへん! ちゃんと、相手の意見を聞いた上で決めるんや!」


「そうですね。

特に希望は有りませんが……楽して生きたと思っています!」


「おおーーー!!! 

何と、楽観的な……楽して生きたい。

ノーテンキなガキ!!!

お前にピッタリな名前は……【楽天】や!!!」


「とても良い名前ですね!

しかし、色々と問題がありそうなので……

天楽テンラク】もとい【ラク】と名乗る事にします。」


「お前が、えぇなら良いんじゃないか。」


『マスターに【天楽】の名前が刻まれました!』


「これから、よろしくね! ラット。」


「仲良くしたるわ!」

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