不思議な鏡

@kain--

5歳

私の家にはちょっと不思議な鏡がある。

覗いた先にはいつも変わった子がうつる。

覗くごとに前とちょっぴり変わってる、服や髪型、身長なんかが違う魔法を使える子。

でも、たまに私のことを忘れちゃう

今日のあの子は、白いフワッとしたワンピースにツヤツヤの黒い髪をツインテールにしてリボンでくくった青い目の女の子。

前に会った時は私より大きくて髪は短くかっこよかったけど、今度は私よりも小さくてとってもかわいい。

手にはバースデーカードと黄色いばらの花束をもってる。

「こんにちは、かわいい花をもってるのね」

彼女は大きな目をもっと広げて私の方をみたの。

「こんにちは、これは私とおばあさまが好きなお花なの。あなたはだあれ?」

ああ、やっぱり私の事覚えてないんだ……

「私はシャルロット、あなたのお友達よ!」

記憶をなくした友達を見たとき、初めはとってもびっくりしちゃった。

でも、どんなに姿が変わっても記憶がなくても大切な友達、だからまた最初から始めるの。

「ほんと?私のはじめてのお友だちだわ。私は……」

3回目の自己紹介は鏡の中のだれかの声で終わっちゃった。

「ごめんなさいシャルロット、おとうさまによばれてしまったわ」

ちょっと怖がってる様な顔をしていたのは気になったけど、鏡の中のことは私にはわからない。

だから、彼女の名前を言ってさよならをしたの。

「大丈夫よ、マリー。またあいましょう」

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