あの超常的な昔話は事実か?【純文学・短編】

柿倉あずま

第1話 序

(本話の分量は、文庫本換算7ページ程です。)




過去に体験したことが、自分にとってのみならず社会にとっても重要な出来事だったのかもしれないと、後々思い知る場合も有る。勘違いだと思って過ごして来た怪奇体験についても…。





俺(米津秀行・22歳・多摩地方に有る大学の学生)は、興味本位で付いて来た(有り難くもあるが)友人の白壁と共に小道に立って、俺の自宅アパートのベランダを見上げる。


ここから見たところ異変もなく、Yシャツやチノパンが干して有る日常的風景だ。昨日の怪奇現象のことも頭に過るが、部屋に上がろうと意を決した。アパートの敷地へ歩きだすと、後ろから付いて来る白壁が「俺もついに、幽霊を目撃するわけだ」と笑う。


ポストの並ぶ共有スペースを通り過ぎて階段に足をかけて、自室の有る3階へゆっくりと上る。


上りつつ、昨日のことを思い出してみる。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る