警察官と殺人犯

@kain--

第1話

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「いやだ!助けて!」

ルーカスの目の前で、死刑と告げられた女性が、屈強な男たちに連れられ、運ばれて行った。

この国では、生まれた時にチップを付けられる。それを確認すると、その人が今まで見たものを、他人が見ることが出来る。そのチップを見ることが出来るのは、限られた人、限られた場合のみ。その1人が、警察官だった。チップのお陰で、誤審はなくなり、死刑の執行もすぐだった。あの女性も、数時間後に執行されるのだろう。

「あ、貴方様はルーカス様ですね!偉い方だと聞いています。私には息子がおります。親族もおらず、頼るあても無くて……」

ルーカスは、女性に軽蔑の眼差しを向け、無視して仕事に向かった。人を殺しておいて、助けてなど、理解できない。人殺しの子供にも情などかけられない。

「ルーカス先輩!山上の廃墟に赤目の殺人鬼が見つかったらしいです!急いで向かいましょう!」

後輩の警察官が、車の扉を開けて叫んだ。

「わかった」

ルーカスは、赤目の殺人犯について思い出しながら車に乗った。見つかっている被害者は3人。被害者のチップから、犯人は、珍しい赤色の目をした男だということがわかった。街中の監視カメラを見ても、それらしい男は見つからなかった。

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