第7話 それでも真里亜

――――――スナック蘭子。


「同じものください。」


僕の隣に誰かが座った。

その誰かは無言で僕の酒を口に含んでその場で僕に口移しした。


「…?!…翔か…。」

「ぼーっとしてるから。起こしてあげた。」

「…やられた。」

「何?照れてんの?可愛い。」

「うるせ。」


「僕ならこうやって稜太を愛してあげるのにな。」

「……。」


僕の目には真里亜にしか見えなかった。


「…それでも真里亜がいい?」

「真里亜しか要らない。」

「そう。わかった。」


すると、後ろから真里亜が僕を包み込んだ。



「まりやの匂い…」

「そうだよ。」

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