転生
勝利だギューちゃん
第1話
輪廻転生というのは、信じていない。
ていうか、無いほうがいい。
もし、魂があの世へ行ったとき、転生をするよう命じられたら辞退しよう。
生まれ変わる必要がないように、今を生きる。
それでいい。
そして、毎日を懸命に生きてきた。
だが、その日は突然やってくる。
俺はいとも、あっけなくあの世へと旅立った。
帰る事のない旅へ・・・
ただ、もし生まれ変わるのなら何がいいだろう?
「自由に空を飛べるから、鳥がいい」
そう答える人が多い。
俺も、そう答えておいた。
無難だが・・・
「汝よ」
この方が神か・・・
いや、閻魔大王か?
「そちには、転生を命ずる」
「お断りします」
「ならぬ。あらゆる魂は、また地上へと変えるのだ」
そうなのか?
「で、何にになりたい」
「何でもいいんですか?」
「ああ。何でも」
「なら、鳥になりたいです」
「どの鳥がいいのじゃ?」
「何でも構いません。鳥なら・・・」
そう。
鳥は空を自由に飛べる。
幸い、俺は高所強皮症ではない。
一度でも、空を飛べたら、それでよかった。
そして・・・
「どうじゃ、鳥になった気分は」
「あのう・・・閻魔様?」
「なんじゃ。不満か?」
「鳥は鳥でも、ペンギンじゃ・・・」
迂闊だった。
「ダチョウがよかったか?それとも、キウイ。ヤンバルクイナがよかったか?」
それ、全部飛べませんから。
転生 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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