婚約破棄されたので全力で家族と辺境村へ逃げ出します〜辺境村から始まるほのぼのライフ(ちょっとチートあるかも)〜

K0壱

第1話逃亡実況から状況説明させていただきますわ

「お嬢様大丈夫ですか?」

「ええ大丈夫よ!!それより時間遅行ってあとどのくらいかしら?」

「そうですね・・あと半日は猶予があります。」

「リリアンヌ。大丈夫よ〜。十分に国境を出て、隣のマルセイユまで行けるわ。」

「うむそうだな。リリアンヌは大変なことがあったばかりなのだ。少しはゆったりすればいい。」

「メリー。母様父様ありがとうございます。」

 

いきなりこんな会話から始まってごめん遊ばせ。

私。ローゼ・リリアンヌ。只今絶賛逃亡中なのですの。

と言うのも、よくある?婚約破棄をされたばかりですの。

あ!婚約破棄された相手はパリルス王国の第二王太子にですわ!!

しかも私親友だと思っていた子に寝取られてしまったみたいですのね。

もう何十番煎じの婚約破棄にNTRからの国外追放・・・。

もう世の中の不幸が全部一緒くたに降りかかってきたって感じですわね。

でも、口調が明るいじゃないかですって??ご明察ですわ!だって、パリルス王国自体が腐敗だらけで酷い国なのですもの。

私の家リリアンヌ侯爵家は古くからパリルス王国の血筋に端を発する家柄です。

そして代々宰相を担当している家柄でしたが、今代から王が教会と密着するようになってから、教会派の貴族が宰相を担うようになり、そこからあれよあれよと教会派の貴族たちがパリルス王国の貴族の主流派になってからは酷い有様でして・・・。


そんな時ですわ。私の婚約者が私の親友と寝屋を共にしたというのを耳にしたのは。

それからと言うものリリアンヌ家の影を使って情報収集をしたらそうしたら出るわ出るわ・・・本っ当に人を馬鹿にしやがりやがってあいつら・・・。あら悪い口ですわね。ついポロッと怒りが出てしまいましたわ。

証拠を集め父様と母様に見せたら、普段怒りを見せないおとなしいお二人のお顔が凄まじい般若になったのです。

あの時は屋敷全体が氷で閉ざされるのかと思いましたわ。

「マリア。ちょうどいい機会じゃないか。こんな国さっさと捨てて辺境村へみんなで引っ越そうではないか。」

「いいですわね〜。ユリウス。わたくしもちょうど思っていたところなのですのよ。」

侯爵家といっても代々王家の宰相を務めていて、王都から出る必要がない我が家は領地がありませんの。その代わり領地がわりに王家の許しを得て、自分の好きなところに土地を買う事を許していただいたらしいのです。それが辺境村と言われているところですわ。

辺境村の場所が、隣国マルセイユ王国を経てマルセイユ王国とロドー王国の間にあるリリアンヌの森のところにある村なのです。

リリアンヌの森と言う名前でお察しかしら?そう森丸ごと買ったのです。

しかも上級魔物がたくさん出て、マルセイユ王国もロドー王国も近寄りすらしない森を祖先のどなたが購入してしまったのです。


そんな話をしている間に国境を抜けましたわね。

そういえば皆様、馬車に乗ってよく舌を噛まずにしゃべれるなあと思いですわよね。

それは、今乗ってるの馬車ではないからですわ。

どんな悪路も快適に走る、魔導車なんですの。

それもトラック型ですから荷台のところに私たち家族と侍女のメリーと執事のセバス。護衛騎士のジョージとトムがいます。


「リリアンヌ。さっきから窓をぼーっと見ているが大丈夫かい?疲れているのだろう?兄様の膝の上で眠ればいい。」

「アダムスお兄様。ありがとうございます。ですが今はまだ大丈夫です。それよりも申し訳ありません。アダムスお兄様の進路を私が断ち切ってしまって。」

「何をいってるんだ。リリアンヌが心配する事ない。学ぶべきものは全て学んだし、婚約者もできたしね。ジャクソン嬢には申し訳ないと思っていたけど、ジャクソン嬢も乗り気だったし。彼女たちジャクソン伯爵家とマクリュール公爵家には移動魔法陣と遠距離通話魔導具も渡しているから、辺境村に着いたら早速連絡してきてもらう手筈になっているんだ。」


さっきから移動魔法陣とか遠距離通話魔道具とかなんのことを言っているかどうかわからない皆様のために説明しますと、移動魔法陣はこの魔法陣と同じ陣が描かれていたら、こちらとあちらを繋ぎ合わせることができる、一種の魔法式ですわ。

あら?これって説明できているかしら??お兄様やマクリュール様から何度も説明を聞いたのですがお二人が頭良すぎて、今一つ理解できていないんですの。

遠距離通話魔道具のことならわかりますわ。スマホのことです。

スマホよりかは機能は断然落ちますが、通話とラインとビデオ通話ができるようになっているのです。写真もつけて欲しかったのですがそれはまだ難しいみたいですわね。そうそうわたくしうっすらと前世の記憶があるみたいなんですの。

はっきりと覚えてると言うわけではなく、断片としてですが。

この魔導車も遠距離通話魔道具もうっすらと覚えている断片的なものをアダムスお兄様にお伝えして、アダムスお兄様とマクリュール様が頭を捻りながら作り上げたものなのです。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る