中学からぼっち生活を送る俺が転生し、孤独な仲間たちと出会う。11歳の子供たちが手を取り合い、様々な島を巡る冒険で真の友情を築く。ゴブリンとのハーフとして最強スキルを手に入れ、陽キャを目指す壮大な物語
歩惰
始まりの町 ロット町編
第1話 「始まり」
スマホを見ながら、いつもの道を歩く。特に返信するLINEもなく、調べたいものがあるわけでもない。ただただ、スマホを見ながら歩いている。
毎日がつまらない。結局、大学生4年目になっても友達を1人も作ることができなかった。誰も俺の名前が”柳マナト”だと知らないんだろうな、と落ち込む。中学時代に友達と揉めて以来、人との接し方が良く分からないまま。
(小学校の頃は、人間関係で困ったりしなかったのになぁ....)
午後22時50分、店につく。入口ではなく、裏口から建物に入る。今からファストフードの夜勤バイトなのだ。
「あ。おはよ、う」
日本語がたどたどしい彼は、前の時間帯にシフトが入っていた中国人である。中々距離感が掴めなく、約2年は経つが未だに仲良くなれてない。
「おはようございます、お疲れ様です」
控室で着替えた後、引継ぎ作業を行った。夜勤バイトはお客さんが少なくて忙しくないし、やることもそこまでないので結構気に入っている。そして、なんといってもワンオペなのである。誰とも話さなくていいし、好きなように休憩をとって仕事ができるから最高。
「玉ねぎ切り終わったから、そろそろ牛肉焼くか~」
1人ごとをぼそぼそつぶやきながら、火をつける。
しかし、その瞬間、匂いに異変を感じた。まさかとは思ったが、悲しいことに予想は的中したのだった。ガスが漏れていた...
爆風を感じると共に、炎がマナトの身体を覆いつくす。
肺の中が熱い、呼吸が上手くできない。
(俺、こんな死に方嫌だよ...)
もがくが意識はどんどん遠のいていく。そして、過去の思い出(走馬灯)が浮かびあがってくる。
(小学校の帰り道、グリコしたり紙飛行機を作ったりして、長い時間かけて登下校してた。そのせいで、親にも叱られたりしてたなぁ。あの頃は楽しかった。小学校時代が1番幸せだったのかもな、戻りたい...)
(大人に近づくにつれ、人間関係はくどくなる。俺みたいな魅力のない人は相手にされない。運動神経の良い奴、歌の上手い奴、顔がかっこいい奴、面白い奴、ばっかり注目される。人間ってほんとしょうもない生き物だよ、嫌いだわ)
懐かしさと憎しみ、悔しさが混じった感情を持ちながら、マナトの視界は暗くなった。
(ダサすぎる人生だった、せめて俺に何か魅力があれば...)
(みんなから注目される存在になれたのに...)
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気づくと、森を上から見たような景色が目の前に広がっていた。
「俺、いま、天に召されている途中なのか...」
「ん?」
しかし、どこか違和感を感じとる。
(どんどん森が近づいてきてるぞ。それに風も感じる。も、もしかして、、、)
「おれ落っこちてる~~~~!!!」
(やばいやばいやばい、しぬしぬしぬ)
頑張って空気をすくう感じで、抵抗するが落ちる速度は変わらない。そして、もうスピードで森に近づき、木々や枝にぶつかりながら、地面に叩きつけられた。
「いたたたた...」
腕をさすりながら起き上がる。すると、正面にビジョンのようなものが写し出された。
『 スキル『選択者』 獲得
好きなスキルを選び獲得することができる 』
「はぁ??どういう意味だ??」
もう一度読み直そうとしたところで、ビジョンは消えてしまった。今の状況を何とか理解しようと、頭をフル回転させている時に、森の外から人々の声が聞こえた。
声を辿りに森を抜けると、そこには見覚えのない町があった。そして、人々が物を浮かせたり、火を吹いたりという魔法のようなものを使っている光景があった。明らかに、現実世界ではありえないモノがそこにはあった。
ビジョンを見た時から薄々感じてはいたが、確信を得てしまったのだ。
「おれ、転生したのか...」
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