第1話 刀に仕えし者
「怠惰様、どうなさいましたか?」
私の名前は透凪要(とうなぎかなめ)まあ、女性ぽい名前だが、男だ。
まあ、名前の理由は聞かないで欲しい、しかしだ
『お前、まだ我の仲間を探そうとするのか?』
と言う声が聞こえた。
「はい、怠惰様、私は貴方がた、真殻刀を助けるために頑張ります!」
そう言うと、その声は
『そうか・・・そうか・・・』
と言って、何故か寂しそうに話していた。
「と言うか、怠惰様
なんで私は、怠惰様の声が聞こえるのでしょうか?」
そう言うと、その声はこう言った。
『それはお前が生まれる時に関係があってなぁ
お前が生まれる時、我は魂爆発(たましいばくはつ)とお前達が呼ぶ魂魄吐き(こんぱくはき)をした。
それは、我の生理的衝動ゆえ抑える事が出来なかったが、それにより我の周りの者は全て死したはずだった・・・
しかし、お前は死ななかった。
その理由は、お前が我が魂魄吐きをした時丁度に生まれた。
分かりやすく言うなら、魂が不安定な状態で我をいや、我らを取り込んだ。
それにより、お前は我の声が聴けるようになった。』
そして、その声は続けた。
『お前は、運良くと言うより、運悪く我らと同じ存在に描き変わってしまった。』
そして、私は私を知り、私の知らない私が出来た。
ということを知った。
「と言うか、面倒臭いですね!怠惰様!
一言、我らと同じ存在になってしまったから、声が聞こえるで良いんですよ!」
そう言うと
『そうか・・・
伝えるとはなんと難しい事やら・・・』
そう言うと、その声は聞こえなくなった。
そして、私は気が付いた。
「おい!私をつけている者よ!
その姿を表わせ!」
しかし、姿は無く、気配もしないが
『居るぞ!右の木の上だ!』
私はその方を向くと、そこから、手裏剣が飛んで来ていた。
「うおっと!あぶねぇ!!」
それを、後ろ反りで躱し、真殻刀を構えると、その者は声を発した。
「その刀を渡せ、さすれば命は奪わん」
しかし、この刀は渡せなかった。
その理由は
「多分、あなたにこの刀を渡したら、貴方死にますが大丈夫ですか?」
そう伝えると、その者は笑った。
「ハッハッハ!何を抜かす!
お主は刀を持ってるでは無いか!
なのに何故、私が死ぬことになる!」
そして、私は刀を渡す事にした。
「では、渡します。
さようなら」
そうして、私は刀を木に突き刺し渡した。
「ハッハッハ!!コレで私も・・・・・うぎゃぁぁぁぁああああ」
その者は、刀を持った瞬間悲鳴をあげた。
何故なら、この刀は魂魄吐きをしたが、全ての魂魄を私が受け、身に宿した事による弊害だった。
分かりやすく言うなら、私は魂魄を2万人規模で持っており、それを指し示す基準として明確な存在は鬼である。
それも、規模で言うなら百鬼夜行を1人で行える規模の魂を持つ鬼
その鬼の魂を持ってして、抑えている魂の塊に等しい赤き血の色をした刀
それを、1人の人間が抑える事がどんなに難しいか分かるだろうか?
これをいじめで換算すると分かりやすくなるが、その地域の人間全てが、自分を惨めだの、罪人だの、ゴミだの言ってくる状態その状態を内容自体は一瞬の出来事だが、中身は5000年規模で常時自分を否定され、死ぬ事を強要され、お前は死ぬしかない、死ぬ事でしかお前は存在意義を見い出せないなどと全距離全方向から無限に言われている感覚、それによりやはり、コイツも自ら命を絶った。
「やっぱり死ぬんだ。
この人も」
そして、私はゆっくりと刀を取りに行った。
「では、行きましょうか!怠惰様!」
そして、そこには、1人の心を失った人だったモノが転がっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます