大魔術師は庶民の味方ですⅡ 〜ラブシーン〜

枇杷 水月

第1話 『大魔術師は庶民の味方ですⅡ』本編第9話の続き

 ミュリエルの腰を、そのカーブにそってゆっくりと手のひらでなぞり、フィンは頬を染めるミュリエルを楽しんだ。


「ミュリエル、君の悲しみも喜びも怒りも全てが自分に向けばいいのにと思ってしまう。感情ですら誰にも渡したくないんだ。どうやら、俺は本格的にバカになってしまったみたいだ。ミュリエルが愛おしくてたまらない。こんな俺を罵ってくれ、そうしたらきっと、俺のおかしな心は淫らに感じて興奮するんだろうな」


 赤くなった顔をギョッとさせたミュリエルにクスリと笑うと、フィンは顔を寄せ口づけた。


「冗談だよ、どんな君にも興奮するだけだ」ミュリエルの白いブラウスのボタンを外しながら、自分で言ったことに笑った。「それだと俺は四六時中発情してなきゃならないな。ミュリエルが誤解しないよう、変態じゃないと弁明しようとしたのに、余計に変態になってしまった」


 フィンはミュリエルの頬にチュッと口づけ、その唇を、透き通るように白い首に這わせ、ゆっくりと下へと降りていった。


 目当ての部位に到達すると舌先で弄び、ミュリエルの微かな喘ぎに歓喜した。


 恋しくて切なくて、はしたなくも触れて欲しいと思ってしまうフィンの温かな手の温もりが、足を撫で上げるとミュリエルは身体を震わせた。


 自分がこんなにも情欲に支配され、快楽を求めるなんて思いもしなかった。もっと欲しい、もっと与えたいと、ミュリエルの心は貪欲になっていく。


 ミュリエルは自ら腰をそらせて胸を突き出し快感を求め、閉じた足を恥じらいながら開きフィンの指を受け入れた。


 フィンの指が、触れてほしいところを避けて、焦らすようになぞる。

 甘くトロリと滴る蜜を足の間に感じて顔を紅潮させる。ミュリエルは足を閉じてしまいたい衝動に駆られた。

 それを察したかのように、フィンはミュリエルの下半身に顔を埋め、快感を与えた。


 焦らされたミュリエルの焦燥とも呼べる欲望を感じたフィンは、ミュリエルの服をすっかり脱がしてしまい、自分も服を鬱陶しいと言わんばかりに荒々しく剥ぎ取った。


 そして、ミュリエルを抱えて自分の上に座らせた。

 フィンは胸の膨らみを口に含み、手をミュリエルの腰に添えて前後にゆすった。

 ねっとりと濡れたミュリエルの足の間に、フィンの硬くなった熱いそれが押し当てられ、恥ずかしい音を部屋に響かせながら擦られる。


 ミュリエルの下腹部は痛いほどに疼き、奥の方から欲望がこっちへおいでと手招きする。執拗に擦られ、頂きへと登りつめたミュリエルの体は、小さな悲鳴とともに疼きを解き放った。


 フィンを深く感じ、繋がりたいという女の本能を誤魔化すように、ミュリエルはフィンの唇に唇を押し当てた。


 突然の予期せぬ嬉しい行動に、フィンは思わず達してしまいそうになり、ミュリエルの腰を動かす手を止めた。


 ひとしきりミュリエルの唇を吸ったり舐めたりして味合い、自分を落ち着かせるとフィンはミュリエルを下にして覆い被さり、腰を動かした。


 一際強く押し付けられたそれは、狭く閉じた穴を先端が掠め、ミュリエルの赤く充血した部分を満たした。「ああ……」

 初めての違和感に緊張したミュリエルの体はグッと力が入り、フィンの背中に回された手が爪を立てた。「……フィン」


 フィンは宥めるようにミュリエルの額に唇で触れた。

「大丈夫、入れないから、力を抜いて」

 2人の荒々しい息遣いが重なり、ミュリエルは頭が真っ白になる感覚を味わい、だらりと身体をシーツに沈ませた。

 フィンの腰使いが少しづつ深くなると、押し広げられる苦しさにミュリエルの心が満たされた。


 フィンは目に涙を溜めて見つめてくるミュリエルの瞼に口づけ、煽り立てる甘やかな声色を口腔内に閉じ込め、自身の欲望をミュリエルの腹の上に解き放った。


※本編第10話へ続く……

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