薔薇と百合

黒澤 白

第1話

 昨日の朝、目覚めた時に気づいた。語っておきたいことが色々とあると。だからこのテキストを、作成することにした。

 テキストは、さて、いくつ出来上がるだろう。すべてメールに添付して、あんたに送るつもりだ。

 だけどこれは、メールの一部じゃない。メールに記載されているのは、現実の「用件」。あんたの回答を求めるもの。その用件には、全く関係がないものだ。

 この添付ファイルは、時間があるときに、気晴らしの推理小説を読むような時に、読んで欲しい。これがあんたの気晴らしになるかどうかは、わからないが。

 これは俺の、何だろう。告白?あるいは、言い訳、俺のための物語かもしれない。

 あんたなら、面白がって読むかもしれない。そう思った。そして俺はあんたに、俺のことを、もう少しだけ知ってほしい。だからこれをあんたに送る。

 まぁ、読みたくないなら、読まなくてもいい。

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