ぼびぃと長谷川

ゆーさん、

第1話 ぼびぃと長谷川

有り余るほどの財力、どんな難解な問題も解くことのできる頭脳、超人的な身体能力、誰もが振り返る美貌。

以上の四点に当てはまるものはその優れた個性と引き換えに何らかの代償を伴っている。

料理が下手とか友達がいないとか彼女ができないとか………。しかし、ここに金も頭脳も肉体も顔も凡人の遥か上を持っていながら欠点が何一つない男がいる。名は長谷川木豊、俺の名である。神に命を与えられ17年、俺は誰もが羨む完璧な人生を歩んできた。いや、「完璧」というのは1つも欠点がなく、完全なこと。完全無欠。という意味が込められている。ほんの少し、ほんのわずか、数ミリである俺の運の悪さがあいつを引き寄せてしまった。そうあいつだ、あいつさえいなければ俺の高校生活は………………………


「ぼくとー!おやつゴリゴリ君と花見大福どっちにするっべ?」

「人がナレーションする時は部屋に入るなと言っただろうぼびぃ!!!」




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