第6話 虚無の力



俺はなんとかこの「虚無エネルギー」を扱うことが出来ていた…が


「はぁ……はぁ……さぁてここからが本番だぞ〜。これをある程度慣れないとすぐ体が拒絶反応受けるからな…扱うことが出来るだけでも成果は出たからいいが、せっかくだから慣れていこうか」


この力…エネルギー自体は凄まじいが、まだ慣れていないせいで体の拒絶反応が凄まじい………これを日常生活で当たり前に馴染ませる事で初めてこの力を「得る」ことができる。


「まずは虚無エネルギー…長いから少し省略して虚無力とでも呼ぼうか?これを出し続ける。慣れてしまえば、こちらのもんだ。

次に制御だな。緻密な操作ほどいいってもんだ。正直継続してやるのは少し苦手だが…まぁ目的のためと考えたら仕方ないな。あとは………ぶつぶつ………っと時間は有限だな」


しまったしまった、また独り言を喋ってしまった。治す気はないけど、たまに困るな…


虚無エネルギー

通称:虚無力


俺はそう呼んでいる。魔法を魔素から利用してるものなら、この虚無力は宇宙に広がっている「エネルギー」を利用して扱うものだ


これは俺の予想だけど、魔法を扱うよりも、遥かに難しい……てか油断してたら吐き気とかまずい、頭も痛いし…ふぅ、おそらく魔法は魔素を使ってるから、元々魔素に対して耐性があったり慣れてたりするので、魔法を扱うのはそう難しくない


だが、この虚無力に関しては全く未知のエネルギーなのだ。それも一つじゃない。様々なエネルギーが宇宙にはあるのだ。それが身体全体に流れてくるから酔いとか頭痛とかマジで酷い


だが、これさえ扱えれば俺は大きく成長することになる。

この力には2つ強みがある


一つ目があらゆる攻撃の完全なるだ。

完全にチートだが、そもそも虚無力の強みは「なにもかもを無にする力」だ。それに魔法みたいにエネルギーを塊にして飛ばしても消えないから、攻撃の手段にもなるし、防御の手段でもある。


例えばだが、俺の周りに虚無力を盾みたいに張ったとする。すると魔法などのようなを無に返す。

つまり、自動バリアの完成だ!


………はっきり言ってこれだけでもチートすぎないか?

しかもこれの怖いところは存在するのもなんでもだ。つまり石を投げられたりしても俺に攻撃が来ることなく消えるし、またもし人が殴り掛かろうとするなら…そいつの腕はきっと無くなるだろうな

しかも虚無力は体の再生の阻害があるせいか

魔法による回復、魔物の自然再生はしない

結構恐ろしい能力である。


ちなみにだが、この森の中に魔物はいない

いたとしても、結構奥な方だろうな

俺のいる所はそこまで、街からは離れてないから大丈夫だ




二つ目に関しても完全にチートだ

簡単に言えば、擬似的な魔法が使えるのだ


何言ってるか分からないだろ?

実際これ知った時俺もわけわかめ〜だったから


まぁ一応説明しておこう

虚無力の本来の力はさっき言った通り無に返す力だ。

だが、アクセルはこうも考えたらしい


『この力、考え方を逆にすればなんでも作れるのでは?』と


何が言いたいかというと、本来の力をコインみたいに裏返すことで全く別の力になるのでは?ということだ



……うん、確かに俺はアクセルが好きだよ?

優しい所とか、純粋な所とかね?自分に重ねちゃったこともあるからね?でもね?

一つ言わせてくれ……










流石にその考え方はめちゃくちゃだし、狂ってるよアクセル……。




しかも、実際やってのけたんだからほんとに恐ろしいよこいつは……

だがどうやってやったのかというと、これは虚無力に関係あるな。本来虚無力は様々なエネルギーが合わさったことで生み出されている。

魔素と違い、一つ一つの性質が違うのだ

だから二つの虚無エネルギーを合わせることで全く新しい力が生まれたというわけだ

それが「無にする力」とは真逆の力、「創造の力」だ



それでアクセルは偉業を達成したのだ。

「虚無力を利用した擬似的な全属性魔法使いに」


しかも、だその7つのうちの5つを属性、炎、水、風、雷、土、これらをさらに反転させたことで全く新しい魔法を生み出すんだから。


合計で12種類の魔法を使える魔法使いだってよ?正直現実離れしすぎて頭が痛くなったのを覚えたよ……

ちなみに

炎→氷、水→草 雷→溶岩 風→霧

土→空

らしい

ここまで聞くと、どうしてこいつが勇者に負けたのかが、分からないくらいにはこの虚無力というのはやばい。


だが、今の俺はアクセルだ。技術力云々はともかく、俺にも出来るはずだ。その証拠として



「炎よ」



ボンッと弾けるように炎が光った

なんとか、ここまで扱うことができた。ここまで扱えれるのはアクセルの才能がずば抜けて高いかつ、エネルギーによる耐性が高いかつ、そもそも未知のエネルギーとして捉えられるというなんともまぁ偶然に偶然が重なった結果だ。


今の俺は10歳、事件が起こるのはここから先の5年後だ。

「…騎士団の訓練までまだ時間があるな。ならギリギリまで特訓させてもらうよ」


俺はそんなこと言うと、虚無力の力を制御すべく、再び特訓をするのであった。

















とりあえず、虚無力の制御特訓をひとまず終えた俺は先ほど言った通り、騎士団の所に訓練をすべく

駐屯地に向かっていた。



終わったと言っても日常生活に慣れるまで流し続けるのだから今だって、虚無力を身体全体に流している


日常生活まで頭痛とか吐き気とか感じたくないのだが…まぁこれが一番近道なのだ。仕方ないとして割り切ろう。


そんなこんな考えていたらいつの間にか着いていた。



「ん?おぉ!!アクセル坊ちゃんじゃないですか!?」


と、そんな声を挙げていたのは門番の騎士、

モルクだ


「やぁ、モルク相変わらず門番かい?精が出るね」


「嫌味のつもりですかい?罰としてやらされてるのは知っているでしょう?」


「おや?バレたかい?ごめんごめん」


「全く…俺だってこんなことしたくねぇんですよね」


「それならやめればいいじゃないか?ナンパ」


「そんなことしたら俺の人生灰色ってもんすよ!!」


「相変わらず懲りないね…」


この男も原作同様、変わらないってことか

まぁそんなことはさておきだ



「父上に聞いてない?僕も訓練に参加するって」


「えっ?あぁ…そう言えば言ってたような……でも大丈夫なんですかい?」


「まぁ僕が決めたことだからね大丈夫だよ。とりあえずジークの所に行きたいんだけどいいかな?」


「団長のところですかい?まぁこの時間ならちょうど訓練する時間ですから大丈夫だと思いますが…」


「……サボらないでよ?モルク?」


「へ、へへまさかそんなことあるわけないじゃないですか〜」


「その割には目をそらしてる様に見えるけど?…まぁいいやじゃあとりあえず行かせてもらうよ」


「へい、お気をつけて」


お気をつけてって……あいつどれだけやらかしてんだよ…。


俺はそんなことを考えながらジークところに行くのであった。

























「………坊ちゃん、なんだか、変わりましたね。雰囲気も……なんとも言えない違和感も」


駐屯地の門番の騎士(罰を受けた)モルクはそんなことを言いながら、再び門番をするのであった。







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