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「僕たちは痛みや苦しみには強いけどさ、くすぐったいって感覚には敏感に反応するよ。 まして動けない状態なんて拷問だよ。 じゃあ、始めるから、シンエイはしっかり押さえといてね」


「こんなの拷問な訳ないだろ」


 シンエイは呆れた顔をしたが、エイキに言われるがまま、真っ赤になって震えているサイカの腕を押さえ続けている。


 エイキはサイカの頭側に座り直し、サイカの着ているTシャツの裾を破った。


「ちょ、ちょっと何してんの! やめ…」


 やっと口を開いたサイカだったが、エイキによって、破られたTシャツを口に詰められ、唸ることしか出来なくなってしまった。


「わざわざ服を破る必要はねえだろ」


 エイキは抑えきれない好奇心に浮つき、やり過ぎてしまったが、機転を利かす。


「先輩の真似だよ。 ほら、口に突っ込むと少し静かになったでしょ。 それよりさ、なんか興奮してこない?」


「するかよ。 お前変なんじゃね? 検査してもらえよ」


 エイキにそうは言ったものの、胸中には言葉にするには難しい、ざわめきが微かに湧き上がっていた。


「そう? じゃあ続けるよ」


 エイキは呼吸が少し荒くなり、嬉々としてサイカを見ているが、本来の目的の、涙を流すのか。という目的をすっかり忘れている。


 サイの脇腹を指先で撫で回すと、目を潤ませて、更にうるさく唸り声を上げ始め、押さえている腕に、より一層力が入り、押し返してくる。

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