【短編】チャラ男にNTRされたけど今になって「よりを戻そう」と言ってくる幼馴染と、それを断ってる主人公と、そのやりとりを見てる主人公の親友の話

八木耳木兎(やぎ みみずく)

【短編】チャラ男にNTRされたけど今になって「よりを戻そう」と言ってくる幼馴染と、それを断ってる主人公と、そのやりとりを見てる主人公の親友の話






「断る」

「うぅっ……!!」










 隣の席に座っている俺の親友、みなみけんは、目の前にいる彼の幼馴染・結城ゆうき梨紗りささんの頼みを一蹴した。


 わざわざ俺たちの大学内のカフェに来てくれたのに悪いんじゃないかと思ったが、だからってさっき彼女が言った頼みを承諾するかというとNOらしい。








「よりを戻そうと言われても、俺はもう君とは関わりたくないんだ……ごめんな、梨紗ー」

「ねぇケンくんお願い……もう一度チャンスを頂戴? また昔みたいに仲良くやろうよ!」

「その昔の思い出を汚したのは、君自身だろー?」







 昔と変わらないあだ名で、彼のことを呼んでいるらしい結城さん。

 はたから見れば微笑ましい光景にしか見えないが、その事実に彼は反吐が出ているようだ。




 彼女のことは、彼から聞いていて俺も知っている。

 小学校低学年の頃の彼らは、実の兄と妹のように仲が良かったという。

 中学に入って、異性として意識し合った結果、付き合うことにもなったらしい。






 だがその関係も、彼が高一だったあの日にすべて終わったそうだ。

 彼のSNSにDMで送られた、彼女とチャラ男の先輩とのハメ撮り動画を見たその日に。








「大体君にはあのチャラい先輩がいるじゃないかぁ、あの人と一緒になればいい」

「ケンくんも知ってるでしょ……あの人は反社と関わるようなクズだったのよ! だから覚せい剤取引の関与で捕まったんじゃない!!」

「三年以上も付き合っておいて、彼を庇う気もないのかー。俺のこともそんな風に裏切ったわけだな?」

「そ、それは……」






 話している間、彼は彼女のことを一瞥すらしなかった。

 彼女のことなどまるで興味がないかのように、両手で持ったスマホの横画面に意識が集中していた。

 本来憎むべき相手であるにも関わらず、彼女相手の返事がまるで投げやりなのも、スマホ画面に全神経が集中しているがゆえだった。

 彼にとっては、目の前にいる現実の幼馴染よりも画面越しに見る景色の方がずっと重要だったのだ。





「ともかくさ、もう金輪際、君と関わる気は一切ないんだ。わかったら帰ってくれ」

「でも……でもぉ…………」

「でもでもって子供かよぉ……君も俺と同じ成人なら、やったことのけじめくらい自分でつけろよなー」




 普段は温厚な奴だけど、一度裏切ったのに今になってしつこく食い下がろうとする彼女には、流石の彼でも相手にしたくないようだ。

 そもそも今の彼にはもう既に、マリアという新しい恋人がいるし、今の結城さんには本来何の興味もないのだろう。





 さて。






「ぐすっ、ひどいよっ、ケンくぅん……」

「泣き落としたって駄目だよー、泣いて許してもらったとしてもまた裏切るんだろー?」





 彼女が泣き言を言っている間も。

 南が泣き落とす女の裏に隠れた強かさを見抜いている間も。




 俺―――今カフェで南の隣に座っている、彼と同大学同期同サークルの親友・駒場こまば南朋なおの視線は、彼の見ているスマホの画面に集中していた。

 正確には、彼の見ているスマホの画面と、それを見ている彼自身に集中していた。








……







…………








………………










―――――――――AV見てる……








―――――――――昼過ぎからAV見てる……









―――――――――そこそこ賑わってる大学のカフェ内で、ミュートとはいえAVガッツリ見てる……




(そりゃ壁際の隅っこの席だから、俺以外にはバレないけども……)




なお、NTRものだった。






◆   ◆   ◆






「ひどいよ、幼馴染なのに、どうして私のこと斬り捨てるのっ……!!」

「先に斬り捨てたのが君の方だからだよー?」




―――正論返しながらAV見てる……




「とにかくさー、今の君、もう俺にとって想い出でしかないんだよねー」

「そんな……わざわざこうやって大学に会いに来たのにっっ……!!」

「それは君が勝手にやったことだから知らないよー、見返りがあるとでも思ったのー?」




―――過去の思い出を振り払いながらAV見てる……



「わたしはいつもっ……あの日のことを後悔してるのに……またやり直せたらって思ってるのにっ……!!」

「そりゃさぁ、どこかの別世界には俺と梨紗がうまくやれてる世界だってあるかもしれないぜ? でも今ここにいる俺たちの世界がこうなってる以上、そんな世界の妄想なんか無意味だし、今ある絆っつーか、今の俺の彼女を大事にするしかないんだわー」



 ―――マルチバース理論を突き詰めた先に待っているものは虚無だから今現在ここにある世界線のみを大事にするしかないという悟りの境地に達しながらAV見てる……



 

 まぁ聞いての通り、今の南には彼女がいる。

 しかし本来なら、昼間のキャンパス内でガッツリアダルト動画を見る男子大生になど彼女が出来るわけがないし、いたとしてもその行為を見られた時点で一発ビンタで別れて終わりだろう。

 直接その場を見られるようなことはなくても、俺のような友人から告げ口されれば、まあ同年代の女子なら一発で嫌われる事案。




 なのに、こいつは白昼堂々スマホでAVを見ている。

 マリアという、彼女がいるにも関わらず。




 その理由。

 それも、彼の視線の先。

 スマホを見てる画面の中にあった。








…………










………………











 ―――――――――AV出てる……








―――――――――ガッツリ彼氏以外の男とヤりながらAV出てる……








―――――――――ガッツリ彼氏以外の男とヤっているところをガッツリ彼氏に見られながらAV出てる……







 葉山はやま由真ゆま(芸名。本名・麻美あさみマリア。96-58-88、Hカップ)は、最近売り出し中の現役女子大生AV女優だ。

 某レーベルとの契約金は(なんで本名の方が芸名っぽいんだ)、同レーベル内で歴代最高記録を更新したという。



 なお勘違いされることが多いが、アイドルと違ってAV女優は恋愛自体が禁止されているわけではない。

 AVスタッフなど特定の職業との恋愛が限定的に禁止されているだけで、一般男性と交際するケースも多いし、そのまま結婚して引退、というケースもザラにある。



 だが偏見を持つ人も少なくないため、「映像制作にかかわるお仕事」と称して彼氏と付き合う女優もいる。

 一方、彼と葉山由真―――本名・麻美マリアの場合は。




「彼女は俺に、いつもありのままの自分を見せてくれるんだ。君と違ってな」

(何をうまいこと言っているかのように……)



 100%オープンだった。

 




「俺にはな、もうマリアしかいないんだよ」



―――彼氏に一途の愛を受けながらAV出てる……



「マリアに相応しい男になりたいと思ったから、泣き虫のガキだった俺は成長できたんだ」



―――彼氏を少年から男に成長させながらAV出てる……



「たとえ何万回生まれ変わったって一緒に恋人でいよう、マリアと二人でそう誓い合った夜もあるしな」



―――何万回人生を繰り返してもこの生き方でいいと思える永劫回帰の境地にパートナーと達しながらAV出てる……








(あれ………………待てよ?)








 こいつ、確かSNSで見たハメ撮り動画で、結城さんが寝取られたこと知ったんじゃなかったっけ……?






 だとしたらそれ、何か変なことになってないか……?






(幼馴染が自分以外の男とヤってた映像を見てトラウマで別れたのに、今カノが自分以外の男とヤってる映像はガッツリ見ていられるって……)




 いや、よくよく考えたら変じゃないかもしれない。

 前者は女としてのセックスだけど後者は女優としてのセックスだし。




 でもだとしても、そんなカッツリ割り切れる柔軟さって性欲もプライドも強い二十代の男子になくない……?

(まして今キミが見てるのNTRものだよ……?)




 いや、いいんだよ、別に?

 仕事だろうが情欲だろうが他の人とセックスできる異性でもパートナーとして愛せる、って恋愛観の人もいなくはないだろうし、だからこそAV女優やAV男優と結婚する一般人の方がいるんだと思う。

 たださ、こいつがそういうのをOKとする恋愛観だったとして、にショック受けた後どういう経緯でそうなったんだって話になってこない?

 寝取られたショックっていう土壌があったとして、その恋愛観って大樹がどこから生えてきたんだって話になってこない???




「俺に男としての自信を取り戻させてくれたのは彼女なんだ。君に一度打ち砕かれた、男としての自信をな」

(多分だけど、普通は目の前の元カノより今カノの方が彼氏の自信打ち砕くんじゃないか……?)

 AV女優と一般人男性が付き合った例は彼以外にも知っているが、自分のパートナーが自分以外の男たちと何度もヤっているところを見ると、男たちに嫉妬してしまったりして関係が続けづらくなるパターンも多いらしい。




 でも、南と麻美マリアは違うようだ。

 実は知らないところでAV並みの激しいコミュニケーションをとってたりするのかな、と下衆い仮定が頭に浮かんでしまったが、この説は却下。



 なぜかというと。




 ◆  二週間前  ◆




「こんなこと、夜の居酒屋で二人で飲んでる時にしか話せないけどさ、健……ぶっちゃけ、あんな彼女と夜二人でいる時ってどうなの?」

「そりゃもう朝まで盛り上がるよ」

「おぉー、言ったね……具体的に訊いていい?」

「劇場版ド●えもん見たり、ス●ブラで対戦したり」

「……………………………………………………それ以外は?」

「それ以外はって、何が?」

「……………………………………………………………………」




◆   ◆   ◆




 …………いやなんであんな彼女おって関係プラトニックやねん!!!!!

と心の中で喋ったことのない関西弁でツッコんだあの日のことを思い出したからだ。




 で、待てよ…………

 夜になっても彼女とそういう行為をしている気配がないってことは、結局のところまだ結城さんを寝取られたトラウマをひきずってるのか、こいつ……?

 え、でもじゃあそれだとそもそもAV女優と付き合わなくない……?

 そもそもトラウマでセックスができないとしたら今スマホでその動画をガッツリ見てるのは何なんだ……?

 あと他の男とヤった元カノにここまでキレてる奴がなんで他の男とヤリまくってる今カノに平常心保ててるの……?

 そもそもプラトニックな関係ならなんで真っ昼間のキャンパスでガッツリ彼女が男とヤってるのを見ていられるの……?




 ……あーもうわけわからん!!!!!




 南と麻美マリアがなぜ恋愛関係を保てているのか全く理解できず、麻美マリアが男避けに作った偽装カップルの疑いすらも考え出す俺。

 しかし。




「じゃあ、今のその人の何が良いって言うの? 何でケンくんは信じられるのよ?」

「彼女、君と違っていい娘なんだ。毎日おはようのラインやおやすみのラインを送ってくれるし」

(いい娘なんだよなー……)




「好きな映画のジャンルとか、行きつけのカフェもまるまる一緒だし」

(相性抜群なんだよなー……)




「他の男性との浮いた噂も全くないんだよ。君と違ってな、梨紗」

(他の男との関係も…………。…………? …………???)

 あぁ、南君の中では噂すらない判定なんだ。

 噂どころか堂々と、って思いかけたんだけど、南君判定では噂すら何もない真っ白な状態なんだ。彼氏が言うなら間違いないな。うん。




「君みたいな夜にだらしのない女性には、興味なんかひとつもわかないね(いや、君の今カノ夜どころか昼も……)。ほら後ろ見ろ、俺の代わりに彼らが相手してくれるぞ」

「結城梨紗さんだね。いきなりですまないが、我々はこういうものだ」

「け、警察手帳……!?」

「君には、恋人と共同での覚せい剤取引関与の疑いが出てる。署まで来てもらおうか」

「ちょ……ちょっと待って下さい!! 助けて、助けてよケンくん!!!」

「今更俺に近づいたのも、自分を匿ってもらうためか。ハナから信用してなかったとはいえ残念だよ、梨紗」




 知らない間に目の前で結城さんが突然現れた警察に連行されそうになってたけど、俺の脳内は南の恋愛観を理解するのに精一杯でそんなことはどうでもよかった。




 えーとだから、こいつ、まとめると?

 ハメ撮り動画でNTRが判明したトラウマで元カノを許してなくて?

 なのにAV女優の今カノがいて?

 なのに今カノがNTRもので他の男とヤってる光景はガッツリ見られて?

 なのに夜は比較的プラトニックで?

 なのに偽装ではなくラブラブで浮いた噂も全くなくて?




 …………二重人格かこいつ?

 こいつ犯人役で、別人かと思ったら同一人物だった的なミステリ作れそう……




「わ……わかったよ。お手上げだよ、ケンくん……でも、最後にこれだけは言わせて?」



 ……いやはや、つくづく他人の恋愛観っていうのは本当にわからないなー……



「私が本当に愛しているのは、君だけだったんだよ」

「あ、そう」



 ……口先だけでは理解できない何かが、確かにそこにはあるんだよなー、うん。




 傍から見ても薄っぺらく感じる言葉を吐く結城さんと、それを聞いている素振りすら見せずに今カノが出てるAVを見続けていた南を前に、俺の心中をそんな思いがよぎった。

 なんか、で参考にできそうだな、彼らのさっきまでのやりとり。




 その後結城さんが数人の警官たちに連れられていくのを確認して、やっと南はスマホから目を放した。

 結局彼が彼女に視線をむけることは、一度たりともなかった。




 スマホから視線を俺に向けた南は、まずこう言った。

「……よくあんなこと言えるよな、先輩にも内緒で毎日ソープランドで他人とヤって稼いでたくせに」

「………………………………………………。………………………………?」

 何か言いかけて自分で頭がバグりそうになったので、俺は質問するのを辞めた。




 それに。




「あっマリア! こっちだよ!」

「健君! ごめんね~、ちょっとゼミが長引いちゃって……待った??」

「全然!! 二人とも今来たとこだよ」



 元カノを前にして終始眉根を寄せていた親友の表情が、彼女を視界に収めて休み時間の小学生のようにパァッと明るくなったのを前に、色々どうでもよくなった。

 個性的な素材の赤い糸だけど、それで二人が互いに固く結ばれているのなら、その事実の方がよっぽど重要な気がしたのだ。





◆   ◆   ◆





「……よくあんなこと言えるよな、先輩にも内緒で毎日ソープランドで他人とヤって稼いでたくせに」

「………………………………………………。………………………………?」



 幼馴染の梨紗りさがその場を去ったことを確認した俺―――みなみけんは、愛するマリアの美しい姿を瞼に収めながら、スマホの動画を停止した。

 正直に言えば顔も見たくなかった女なので、一瞥もしなくて正解だった。

 実際、来た理由もろくでもなかったし。




 さて、俺と親友の駒場こまば南朋なおが男二人で向かい合ってではなく並んで座っているのは、もう一人の客を待っているからだった。

 はたして裏切り女とすれ違うように、俺たちが待ち合わせている相手もベストタイミングでやって来た。



「あっマリア! こっちだよ!」

「健君! ごめんね~、ちょっとゼミが長引いちゃって……待った??」

「全然!! 二人とも今来たとこだよ」

「……警察が来てたみたいだけど、何かあったの?」

「……ほっときゃいいよ、君には関係ないから」


 

 童貞男子大生が彼女の姿を見るとアレ、人気AV女優の葉山由真じゃないか!? ここの学生だったんだ!!! と驚くかもしれないが、完全にオーラをオフにして一般人対策も完璧なマリアに限ってそんなことはない。

 メイク・ファッションと言うものは、女性を全くの別人に変身させる魔術なのだ。




 万が一顔に見覚えがあったとしても、小さく見せるシアーメッシュブラによって彼女のもう一つのトレードマークである胸がまな板レベルに収まりきっているので、傍から見ればAV女優によく似た一般人にしか見えないというわけだ。




 いつもなら、この後俺とマリアだけでショッピングモールに出かけて映画館やゲーセンを回りたいところだ。

 しかし、今日マリアがこの席に着いたのは、俺ではなく、と話すためだった。




「……それで、渡した台本は読んでくれた? 

「そりゃもうバッチリ!! 今回は設定が設定だから、現役女子大生として腕の見せ所って感じで前々から楽しみにしてたんだ!!」




……




「よし、男優さんもADももう待機してるから、メイクの後さっそく絡みから撮りに行こっか」

「うんっ、今日もよろしくね。!!」







―――AV撮ってる……





「由真ちゃん、あとさ」

「わかってるわかってる! 撮影場所は誰にも内緒でしょ? 涼しくて眺めもいい場所だからちょっともったいないけど、ヤリサー乱交設定ならあの場所がベストだよね!」





―――ヤリサーという設定のリアルさを極限まで追求した結果スタジオじゃなくて実際のキャンパス内でシークレットで青姦AV撮ってる……





「駒場監督の演出、いつもいつも最っ高にかわいくエッチに撮ってくれるから、女優としても自然にノレちゃうんだよねー!!」

「俺、高校の頃に幼馴染の恋人を寝取られてさ……それで性癖もこじらせちゃって、そのはけ口を探した結果ここに行きついたってわけ」





―――親友とだいたい同じ経験してるけど親友と違ってそれをクリエイティブ方面に生かした結果才能開花して現役男子大生でありながら人気女優のAV撮ってる……








 男子大生ながら平気でAV監督を務め、教育機関内で平気でAVの打ち合わせをして、平気でキャンパス内の穴場でAVの撮影をする駒場のあまりに型破りな監督振りに、若干面食らいながらコーヒーを啜る俺。





「…………じゃあ、今日もお仕事頑張ってね、マリア」

 色々言いたいことはあったが、マリアのコンディションに影響するとよくないので、その場では笑顔で彼女を見送った。

「……健君」

 そんな俺を前に。




「……普段こんなこと言えないけど……」

「何?」

「私が頑張れるのは、いつもキミが待っててくれるからなんだよッ」

 チュッ!




 目の前の天使は、誰にも気付かれないスピードで口づけを交わしてくれた。





「じゃ、また今夜ね! フフッ♡」

 その口づけと、その一言で、俺の中の何もかもが吹き飛んだ。





―――ま、別にどーでもいいよな。





 宇宙一かわいい恋人の、宇宙一心地よいキスと、宇宙一チャーミングな別れの挨拶。





―――駒場こいつがいないとこの娘に出会えなかったわけだから。





 それら全てのきっかけを作ってくれた、目の前の親友兼AV監督への感謝で、俺は頭の中のモヤモヤを拭い去るのだった。





 マリアとの馴れ初め―――講義の場所を間違えて駒場こいつがAVをゲリラ撮影している校舎の大教室内の扉を偶然開けてしまった結果、撮影中、本番中(二重の意味で)の彼女に初めて出会ったことを思い出しながら。

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